クラウドツールを使う前の準備|会社設立で自分が用意するもの
クラウドの会社設立ツールを使う前に、自分で用意しておくものを整理しました。決めごと、印鑑、証明書、環境。freeeを開く前の準備をまとめています。
freeeなどのクラウドツールを開いてから「これが決まっていない」と気づいて手が止まる。会社設立の準備でいちばんよくある光景です。
この記事では、ツールを開く前に用意しておくものを整理します。決めごと、印鑑、証明書、そして作業の環境。この4つが揃っていれば、入力は数時間で終わります。
準備1:6つの決めごと

いちばん大事な準備が、会社の基本事項を決めておくことです。クラウドツールは質問に答えていく形式なので、答えを持っていないと止まります。
決めるのは、商号、事業目的、本店所在地、資本金の額、発起人と役員、事業年度の6つです。
商号には使える文字の決まりがあります。株式会社という文字を前に付けるか後ろに付けるかも選べます。同じ本店所在地に同じ商号がないかも確認しておきます。
事業目的は、いまやる事業と、数年のうちに手を出しそうな事業を書きます。最後に「前各号に附帯関連する一切の事業」を入れるのが定番です。
許認可が必要な事業では、事業目的の文言に要件があることがあります。該当しそうなら、所管の窓口に先に確認してください。
本店所在地は、定款では市区町村まで、登記申請書には番地まで書きます。管轄の法務局もここで決まります。
資本金は、1,000万円未満かどうかで消費税の扱いが変わります。株式会社なら、100万円未満かどうかで定款認証の手数料の区分も変わります。
発起人と役員は、それぞれの氏名と住所が必要です。印鑑証明書の記載どおりの表記で用意してください。
事業年度は、設立月の直前月を期末にすると1期目を長く取れます。設立月と同じ月を期末にすると1期目が極端に短くなります。
この6つを紙に書き出してから画面を開いてください。それだけで、入力の時間が半分になります。
freeeの画面には事業目的の候補が並んでいるので、それを眺めながら決めるという手もあります。ゼロから文章を考えるより早く決まる人は多いはずです。自分で会社設立を進めるなら、この準備がいちばんの時短になります。
自分で会社設立を進めるなら、この準備がいちばんの時短になります。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立を自分で行うには?費用・必要な手続き・設立時のポイントを解説」(2026年9月9日 確認)
準備2:会社実印

次が会社実印です。法務局に届け出る印鑑で、会社設立の登記に必須になります。
注文してから届くまでに日数がかかります。即日仕上げの店もありますが、ネットで注文するなら数日は見ておくべきです。
つまり、商号が決まったらすぐ注文するのが正解です。ほかの決めごとが済んでいなくても、商号さえ決まれば作れます。
この「待ち時間を先に始める」という考え方が、会社設立の日数を縮めるコツです。
サイズには決まりがあります。辺の長さが1センチを超え3センチ以内の正方形に収まるもの。買う前に確認してください。
素材や書体には決まりがありません。柘、黒水牛、チタンなど選択肢がありますが、登記の可否には関係しません。
freeeの画面でも印鑑の案内が出ますが、そこで買わなければならないわけではありません。どこで買っても構いません。
銀行印や角印をまとめたセットで買う人が多いのは、あとから買い足す手間を避けるためです。
ただし、登記に必要なのは会社実印だけです。ほかは実務上の便宜なので、必要になってから買うという判断もできます。
届いたら、実際に押してみて仕上がりを確認してください。かすれや欠けがあると、書類の押印で困ります。
会社設立の日程を組むうえで、実印の納期はいちばん読みにくい要素です。店によって差が大きいので、注文するときに必ず確認してください。自分で会社設立を進めるなら、この注文を最初に済ませてください。
自分で会社設立を進めるなら、この注文を最初に済ませてください。
この章で参照した情報【税理士監修】会社設立に必要な印鑑4本セットとは?証明書についても解説「【税理士監修】会社設立に必要な印鑑4本セットとは?証明書についても解説」(2026年9月9日 確認)
準備3:印鑑証明書

個人の印鑑証明書も必要です。発起人や取締役の実印が本物であることを証明する書類です。
株式会社なら、定款認証のときに発起人の印鑑証明書が、登記申請のときに取締役の印鑑証明書が必要になります。
用途が違うので、1人で発起人も取締役も兼ねる場合でも、それぞれ1通ずつ必要だと考えておくと安全です。
合同会社なら定款認証がないので、登記申請のときの代表社員の印鑑証明書だけで済むことが多いです。
有効期限があります。発行から3か月以内のものを使うのが一般的なので、早く取りすぎると期限が切れます。
取得の目安は、登記申請の1〜2週間前です。定款認証で使う分も、認証の直前に取るのが確実です。
印鑑登録がまだなら、その手続きから始める必要があります。登録には本人確認書類と登録する印鑑が必要です。
マイナンバーカードがあれば、コンビニのマルチコピー機で取得できる自治体もあります。窓口の営業時間に間に合わない人には現実的です。
対応しているかどうかは自治体によって違うので、会社設立の日程を組む前に確認しておいてください。
1通あたり数百円なので、迷ったら多めに取っておくほうが安全です。足りなくて窓口に戻る時間のほうが高くつきます。
freeeの画面には必要書類の案内が出ますが、印鑑証明書の通数までは細かく指示されません。会社の形態と役員の構成から、自分で数えることになります。自分で会社設立を進めるなら、印鑑登録の有無を最初に確認してください。
自分で会社設立を進めるなら、印鑑登録の有無を最初に確認してください。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立時に必要な印鑑証明書の発行方法とは?登記申請に必要な枚数も解説」(2026年9月9日 確認)
準備4:作業の環境

見落とされがちですが、作業の環境も準備のうちです。会社設立の書類は最終的にA4の紙になります。
自宅にプリンタがないなら、コンビニのマルチコピー機を使う前提で考えておきます。スマホからでも印刷できます。
印刷は等倍で行います。縮小がかかると余白の位置がずれ、押印や綴じの位置が合わなくなることがあります。
朱肉が必要です。スタンプ台のインクは登記の書類には使えません。準備物として意外と忘れられがちです。
製本テープも用意しておくと便利です。定款のように枚数が多いものを綴じるときに使います。
ホチキスも要ります。登記申請書と登録免許税の台紙は、左側でとじて契印を押します。
これらの作業には、机の上で半日ぶんの時間が要ります。入力は隙間時間でできても、ここは腰を据える必要があります。
freeeの画面がどれだけ便利でも、この工程は自分の手でやることになります。
書類を並べるスペースも確保しておいてください。20枚を超えることもあるので、狭い場所だと混乱します。
自分で会社設立を進めるなら、この半日を最初からスケジュールに入れておいてください。
freeeが出力するPDFは、印刷してそのまま使える形になっています。あとは押して綴じるだけなので、環境さえ整っていれば作業自体は難しくありません。文房具は事前に買っておくと、作業の途中で中断せずに済みます。
文房具は事前に買っておくと、作業の途中で中断せずに済みます。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立に必要な書類は主に11種類!一覧リストや作成・提出方法をわかりやすく紹介」(2026年9月9日 確認)
準備5:資本金を用意する口座

資本金の払い込みに使う口座も、事前に確認しておきます。
振込先は発起人個人の口座です。会社設立の前なので、会社名義の口座はまだ存在しません。
ATMの預け入れではなく振込にしておくのがポイントです。誰がいくら払い込んだのかが記録に残る形にするためです。
タイミングにも決まりがあり、定款を作成した日より後に振り込みます。先に入れておいたお金を資本金として扱おうとすると、日付の説明がつかなくなります。
振り込んだら通帳に記帳し、表紙、口座番号と名義が分かるページ、入金の記録が載っているページをコピーします。
ネットバンクで通帳がない場合は、口座名義・口座番号・入金明細が分かる画面の印刷で代えられるのが一般的です。
管轄の法務局によって扱いが違うことがあるので、心配なら事前に確認してください。
金額は定款に書いた資本金の額と一致させます。振込手数料で端数が出ないよう、注意してください。
freeeでは払込証明書の様式が出力されるので、金額と日付を埋めるだけで済みます。
自分で会社設立を進めるなら、どの口座を使うかを先に決めておいてください。
会社設立の払い込みは、定款の作成日より後という順序を守る必要があります。freeeの案内でも認証のあとに払い込みという順番で説明されるので、素直に従うのが安全です。長く使っていない口座だと、記帳のために窓口に行くことになる場合もあります。
長く使っていない口座だと、記帳のために窓口に行くことになる場合もあります。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「資本金の払込証明書とは?テンプレートや作り方、注意点も解説」(2026年9月9日 確認)
準備6:予算の現金

会社設立の実費も、事前に用意しておく必要があります。
株式会社なら20万円ほど、合同会社なら8万円ほどを見ておくと安心です。これは資本金とは別のお金です。
資本金は会社の口座に移るお金で、使ってなくなるわけではありません。実費は国や公証人に払って出ていくお金です。
実費の中身は、登録免許税、定款認証の手数料、謄本代、印鑑代、印鑑証明書の取得費用。このうち登録免許税が大半を占めます。
登録免許税は収入印紙で納めるのが一般的です。金額が大きいので、郵便局や法務局内の販売所で購入することになります。
コンビニでも収入印紙は買えますが、高額のものは置いていないことがほとんどです。前日までに郵便局で買っておくのが確実です。
定款認証の手数料も、公証役場で支払います。支払い方法は役場によって違うことがあるので、予約の連絡のときに確認してください。
freeeの利用料は0円ですが、この実費は自分の財布から出ます。ここを混同しないでください。
自治体の創業支援等事業による証明を使えば、登録免許税が半額になります。時間に余裕があるなら検討する価値があります。
自分で会社設立を進めるなら、当日に現金が足りないという事態を避けてください。
会社設立の実費のうち、いちばん大きいのは登録免許税です。株式会社なら15万円、合同会社なら6万円。ここを見落とすと予算が足りなくなります。カードが使えない場面が多いので、現金の準備は忘れずに。
カードが使えない場面が多いので、現金の準備は忘れずに。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「約6万円から設立可能!?会社設立に必要な費用とは?株式会社・合同会社別に解説」(2026年9月9日 確認)
準備7:スケジュール

最後の準備が、スケジュールを組むことです。会社設立の日数は、段取りで大きく変わります。

会社設立の日数は、自分が手を動かす時間と、相手を待つ時間の合計です。後者を先に始めると、全体が縮みます。
待ちが発生するのは、実印の納期、印鑑証明書の取得、公証役場の予約、そして登記完了までの期間です。
freeeの案内は工程順に並んでいるので、そのまま従うと待ちが直列に並びます。自分でスケジュールを引くなら、印鑑と公証役場を前倒ししてください。
株式会社なら2〜3週間、合同会社なら1〜2週間が目安です。ここに登記完了までの数日から10日が加わります。
freeeの入力自体はいつでもできるので、日付に縛られるのは公証役場と法務局だけです。自分でスケジュールを引くときは、この2か所の予定を軸にしてください。設立日にこだわりがあるなら、希望日の2〜3週間前から動き始めてください。
設立日にこだわりがあるなら、希望日の2〜3週間前から動き始めてください。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立にかかる期間はどれくらい?設立までの流れや期間について解説」(2026年9月9日 確認)
準備のチェックリスト

ここまでの準備を、チェックリストにまとめておきます。
- 6つの決めごと:商号、事業目的、本店所在地、資本金、発起人と役員、事業年度
- 会社実印:商号が決まったらすぐ注文する
- 印鑑証明書:登記の1〜2週間前に取得。印鑑登録がまだなら先に
- 作業の環境:印刷の手段、朱肉、製本テープ、ホチキス
- 資本金の口座:発起人個人の口座。振込で記録を残す
- 予算の現金:株式会社で20万円、合同会社で8万円ほど
- スケジュール:待ち時間を先に始める段取り
この7項目が揃っていれば、freeeの入力は数時間で終わります。逆に、揃っていないと途中で何度も止まります。
会社設立の準備で時間がかかるのは、ツールの操作ではなくこの部分です。
自分で会社設立を進めるなら、画面を開く前にこのリストを確認してください。
とくに実印の注文と印鑑登録の確認は、早めに動くほど日程が縮みます。
freeeを使うかどうかにかかわらず、この準備は共通です。会社設立という手続きそのものに必要なものだからです。当サイトでは、それぞれの項目を扱った記事も用意しています。
当サイトでは、それぞれの項目を扱った記事も用意しています。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立に必要な書類は主に11種類!一覧リストや作成・提出方法をわかりやすく紹介」(2026年9月9日 確認)
まとめ:画面を開く前が勝負

クラウドツールを使う前の準備について、ここまでの内容をまとめます。
- 6つの決めごとを紙に書き出してから画面を開く
- 会社実印は商号が決まったらすぐ注文する。納期がある
- 印鑑証明書は登記の1〜2週間前に。有効期限に注意
- 印刷の手段、朱肉、製本テープを用意しておく
- 資本金は発起人個人の口座に振込で入れる
- 実費は現金で用意する。資本金とは別のお金
- 待ち時間を先に始める段取りを組む
freeeの入力そのものは、準備が済んでいれば数時間で終わります。会社設立の時間の大半は、この準備に使われます。
逆に言えば、準備を丁寧にやれば、あとは淡々と進みます。自分で会社設立を進めるなら、ここに時間をかける価値があります。
この記事の内容は2026年9月9日時点で確認したものです。制度も画面も変わります。実際に進めるときは、各章の出典リンクから最新の内容を確かめてください。
この章で参照した情報freee会社設立(公式)「freee会社設立|無料で安心、簡単に設立手続き」(2026年9月9日 確認)
会社設立の準備で焦って画面を開くと、最初の質問で止まります。それより、紙とペンで30分かけて決めごとを書き出すほうが、結果的に早く終わります。
実印の注文だけは、いま済ませてしまってください。届くのを待っている間に、ほかの準備を進められます。
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