法人の青色申告で何が変わるか|承認申請を出す理由
法人の青色申告で受けられる扱いを整理しました。会社設立の直後に承認申請を出す理由を、freeeで自分で進める人向けにまとめています。
会社設立の直後に「青色申告の承認申請書を出しましょう」と言われても、それで何が変わるのかが分からないと動く気になれません。
この記事では、法人の青色申告で受けられる扱いを整理します。なぜ出さない理由がほとんどないのか、その根拠が分かるようにまとめました。freeeで自分で進める人向けに書いています。
青色申告とは何か

青色申告は、一定の帳簿を備えて記録し保存することを条件に、税務上のいくつかの扱いを受けられる制度です。
個人事業主の青色申告はよく知られていますが、法人にも同じ仕組みがあります。
法人の場合、そもそも複式簿記で帳簿をつけることが前提になっています。だから、条件を満たすこと自体は難しくありません。
freee会計のようなクラウド会計を使っていれば、帳簿の要件は自然と満たせます。
つまり、法人にとって青色申告は「特別に頑張って取るもの」ではなく、申請さえ出せば受けられるものだということです。
それなのに申請を忘れる人がいるのは、期限が会社設立の直後という忙しい時期に来るためです。
青色申告の承認を受けていない法人は、白色申告の扱いになります。
白色でも申告はできますが、受けられる扱いが少なくなります。
以下では、青色申告で具体的に何が変わるのかを見ていきます。
それが分かれば、申請を出す理由も納得できるはずです。
自分で会社設立を進めるなら、この制度の意味を理解しておいてください。
freeeで会社設立の手続きを終えたあと、この申請書も同じ画面から作れます。会社設立の入力で使った情報が引き継げるので、記入の手間もほとんどありません。書類を出すだけで受けられるものを、知らずに逃すのはもったいない話です。
書類を出すだけで受けられるものを、知らずに逃すのはもったいない話です。
この章で参照した情報弥生株式会社(経理お役立ち情報)「法人でも青色申告できる?申告のメリットや必要な手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
欠損金の繰越控除

青色申告でいちばん大きいのが、欠損金の繰越控除です。
欠損金というのは、税務上の赤字のことです。これを翌期以降に繰り越して、将来の黒字と相殺できます。
たとえば1期目に300万円の赤字が出て、2期目に500万円の黒字が出たとします。
繰越控除が使えれば、2期目の課税対象は500万円から300万円を引いた200万円になります。
使えなければ、2期目の500万円がまるごと課税対象です。この差は大きい。
会社設立の1期目は赤字になることが珍しくありません。初期投資がかさむ一方、売上はまだ育っていないためです。
だから、この繰越控除が使えるかどうかは、多くの新設法人にとって現実的な問題になります。
白色申告だと、この繰越控除が使えません。1期目の赤字は、そのまま消えてしまいます。
freeeで会社設立を自分で進めた人でも、この申請だけは絶対に出しておいてください。
申請書を1枚出すだけで、将来の税負担が変わります。
繰り越せる期間には上限がありますが、それでも十分な長さがあります。
会社設立の1期目は、売上より支出が先に立つ時期です。その赤字を将来に持ち越せるかどうかは、事業の資金繰りにも影響します。自分で会社設立を進めるなら、この扱いの意味を理解しておいてください。
自分で会社設立を進めるなら、この扱いの意味を理解しておいてください。
この章で参照した情報弥生株式会社(経理お役立ち情報)「法人でも青色申告できる?申告のメリットや必要な手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
欠損金の繰戻し還付

もうひとつの扱いが、欠損金の繰戻し還付です。
これは、赤字が出たときに、前の事業年度に納めた法人税の還付を受けられる制度です。
繰越控除が「将来の黒字と相殺する」のに対して、繰戻し還付は「過去に納めた税金を返してもらう」という考え方です。
前期が黒字で税金を納めていて、当期が赤字になった場合に使える可能性があります。
ただし、適用には条件があります。中小企業者等に該当することなどが求められます。
会社設立の1期目には前期がないので、この制度は使えません。2期目以降の話になります。
それでも、青色申告の承認を受けていないと使えない制度なので、最初に申請しておく理由のひとつになります。
資金繰りが苦しいときに現金が戻ってくるのは、事業にとって大きい。
使う場面が来るかどうかは分かりませんが、選択肢として持っておく価値があります。
適用の可否は状況によるので、実際に使うときは税理士に確認してください。
freeeで会社設立を自分で進めた人でも、この判断は専門的です。
freee会計で帳簿をつけていれば、赤字が出たときにその金額もすぐ分かります。制度を知っていれば、そのときに選択肢として思い出せます。ただ、制度の存在を知っておくだけでも意味があります。
ただ、制度の存在を知っておくだけでも意味があります。
この章で参照した情報弥生株式会社(経理お役立ち情報)「法人でも青色申告できる?申告のメリットや必要な手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
少額減価償却資産の特例

青色申告には、減価償却に関する特例もあります。
通常、一定額以上の資産を買った場合、その金額を耐用年数に応じて分割して経費にします。これが減価償却です。
ところが、中小企業者等が一定額未満の減価償却資産を取得した場合、一括で経費に計上できる特例があります。
この特例を使うと、買った年に全額を経費にできるので、その年の利益が減り、税負担も減ります。
パソコンや事務機器など、事業に必要な資産をそろえる時期には効いてきます。
会社設立の直後は、こうした設備を買う場面が多い時期です。
この特例も、青色申告の承認を受けていることが条件のひとつになっています。
適用には金額の上限や年間の合計額の制限があるので、詳細は国税庁の案内で確認してください。
freee会計で記帳するときも、この特例を使うかどうかで処理が変わります。
判断に迷うなら、税理士に確認するのが確実です。
自分で記帳を続けるつもりなら、この処理も覚えることになります。
freeeの画面では資産を登録するときに処理の方法を選びます。会社設立の直後に買うものが多い時期なので、最初にルールを決めておくと迷いません。会社設立の1期目に、こうした判断が集中します。
会社設立の1期目に、こうした判断が集中します。
この章で参照した情報会社設立後は青色申告を!選択するメリット、手続き方法を解説「会社設立後は青色申告を!選択するメリット、手続き方法を解説」(2026年9月9日 確認)
青色申告を受けるための条件

青色申告の承認を受けるには、条件があります。
大きくは2つ。承認申請書を期限内に提出することと、一定の帳簿を備えて記録・保存することです。
法人の場合、複式簿記で帳簿をつけることがそもそも前提になっています。
freee会計のようなクラウド会計を使っていれば、この要件は自然と満たせます。
帳簿は、総勘定元帳や仕訳帳などです。これらを一定期間保存する必要があります。
請求書や領収書といった書類も、保存の対象になります。
電子帳簿保存法の要件を満たせば、電子データでの保存も認められます。
つまり、日々きちんと記帳していれば、条件を満たすのは難しくありません。
逆に、記帳を溜めて決算前にまとめてやるような状態だと、要件を満たしているか怪しくなります。
会社設立の直後から記帳の習慣をつけておく理由は、ここにもあります。
自分で会社設立を進めて記帳も自分でやるなら、この点を意識してください。
freee会計を使っていれば、取引を登録するだけで帳簿が作られます。会社設立の直後から使い始めれば、青色申告の要件で悩むことはまずありません。週に一度でも、続けていれば問題ありません。
週に一度でも、続けていれば問題ありません。
この章で参照した情報国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(2026年9月9日 確認)
承認申請書の期限

承認申請書の期限を、あらためて確認しておきます。
国税庁の案内では、設立の日以後3か月を経過した日と、設立第1期の事業年度終了の日とのうち、いずれか早い日の前日までとされています。
設立日が4月1日で、期末が3月31日なら、3か月を経過した日は7月1日。その前日である6月30日が期限になります。
一方、1期目が短い場合は期末の前日が期限です。たとえば設立日が1月10日で期末が3月31日なら、3月30日が期限になります。
つまり、事業年度をどう設定したかによって期限が変わるということです。
この計算を間違えると、期限を過ぎてしまいます。
確実なのは、会社設立の直後に出してしまうことです。法人設立届出書と一緒に出せば、迷う余地がありません。
freeeの設立後の機能で作れるので、まとめて用意して一度で提出するのが効率的です。
提出方法は、持参・郵送・e-Taxのいずれかです。
控えは必ず取っておいてください。承認を受けたことの記録になります。
自分で会社設立を進めるなら、この期限を最優先の3つに入れてください。
freeeで会社設立の登記が終わったら、そのままこの3つを作ってしまうのがいちばん効率的です。書類はまとめて税務署に出せます。青色申告、法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書。この3つです。
青色申告、法人設立届出書、給与支払事務所等の開設届出書。この3つです。
この章で参照した情報国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(2026年9月9日 確認)
承認が取り消されることもある

青色申告の承認は、一度受ければ永久に続くものではありません。
帳簿の備付けや保存が適切に行われていない場合、承認が取り消されることがあります。
また、期限内に申告書を提出しない年が続いた場合も、取消の対象になることがあります。
つまり、申請を出しただけで終わりではなく、その後も条件を満たし続ける必要があるということです。
とはいえ、freee会計で日々の記帳を続けていれば、帳簿の要件で問題になることはまずありません。
申告も期限内にすればよいだけです。決算から2か月以内が原則です。
つまり、普通に会社を運営していれば取り消されることはない、と考えて差し支えありません。
気をつけるべきは、記帳を放置することと、申告を忘れることです。
会社設立の直後に記帳の習慣をつけておけば、この心配はなくなります。
自分で記帳を続けるなら、週に一度は帳簿を見る時間を作ってください。
税理士に頼むなら、記帳の状態を見てもらえます。
freee会計を使い続けていれば、帳簿の状態は画面で確認できます。会社設立から数年たっても、記帳が追いついているかを自分で見られるのは大きい。自分で会社設立を進めた人なら、この管理も自分でできるはずです。
自分で会社設立を進めた人なら、この管理も自分でできるはずです。
この章で参照した情報弥生株式会社(経理お役立ち情報)「法人でも青色申告できる?申告のメリットや必要な手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
白色申告との違いをまとめる

青色申告と白色申告の違いを、表にまとめます。

この表を見ると、青色申告を選ばない理由がほとんどないことが分かります。
追加でかかる手間は、承認申請書を1枚出すことだけです。
帳簿の要件も、法人ならもともと複式簿記で記帳するので、実質的な負担は増えません。
freee会計を使っていれば、なおさら自然に満たせます。
つまり、会社設立の直後に申請書を出すかどうかだけの話です。
freeeで会社設立の書類を作った勢いで、この申請書も作ってしまってください。あとで思い出すより、いま片づけるほうが確実です。自分で会社設立を進めるなら、この1枚を忘れないでください。
自分で会社設立を進めるなら、この1枚を忘れないでください。
この章で参照した情報マネーフォワード クラウド会社設立「会社設立したら法人も青色申告の申請を!メリットや期限などをわかりやすく解説」(2026年9月9日 確認)
まとめ:申請書1枚で、受けられる扱いが変わる

法人の青色申告について、ここまでの内容をまとめます。
- 青色申告は、帳簿を整えることを条件に税務上の扱いを受けられる制度
- 欠損金の繰越控除が使える。1期目の赤字を将来の黒字と相殺できる
- 欠損金の繰戻し還付や、少額減価償却資産の特例も条件を満たせば使える
- 帳簿の要件は、クラウド会計を使っていれば自然と満たせる
- 期限は、3か月を経過した日と1期目の期末のうち早い日の前日まで
- 帳簿が整っていないと承認が取り消されることもある
- 白色との違いを見ると、出さない理由がほとんどない
freeeの設立後の機能で作れるので、法人設立届出書と一緒に出してしまうのが確実です。
会社設立の直後は忙しい時期ですが、この1枚だけは忘れないでください。将来の税負担が変わります。
この記事の内容は2026年9月9日に国税庁および各社の解説で確認したものです。制度は変わります。実際に申請するときは、各章の出典リンクから最新の内容を確かめてください。
この章で参照した情報国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(2026年9月9日 確認)
青色申告の承認申請書は、会社設立の直後に出す書類のなかでいちばん見返りの大きい1枚です。書くこと自体は数分で終わります。
1期目が赤字になったとき、この1枚を出しておいたかどうかで、翌期の税額が変わります。忙しい時期ですが、後回しにしないでください。
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