会社設立の総額はいくら?freeeで自分でやる場合の4パターン試算
株式会社と合同会社、紙定款と電子定款。freeeで自分で会社設立をする場合の総額を4パターンで試算し、どこにいくらかかるのかを金額の出どころつきで並べました。予算を決めるための記事です。
会社設立にいくら用意すればいいのか。この一点だけを知りたくて検索した人のために、金額を先に並べます。freeeを使って自分で進める前提で、株式会社と合同会社、紙定款と電子定款の4通りを試算しました。
数字は2026年9月9日に一次情報で確認したものです。資本金の額や本店の場所、印鑑をどこで買うかで変わるので、各項目に「何で変わるのか」も書き添えています。自分のケースに置き換えながら読んでください。
パターン1:株式会社×電子定款(いちばん多い形)

まずいちばん多い形からいきます。株式会社を電子定款で作る場合、実費はおよそ18万円台です。内訳の大半は登録免許税で、これは国に納めるお金なので、どのツールを使っても同じだけかかります。

合計はおよそ18万9千円。ここにfreeeの電子定款代行の手数料がかかる場合がありますが、会計ソフトの契約など条件を満たすと0円になる案内が出ています。自分がどちらに当てはまるかで、数千円が動きます。
この試算で最初に動くのは登録免許税です。資本金を2,143万円を超える額にすると、0.7%の計算のほうが15万円を上回るので、金額が増えていきます。会社設立の段階で大きな資本金を入れる予定があるなら、ここを計算に入れてください。
定款認証の手数料も資本金で変わります。100万円未満なら3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、それ以外は5万円。さらに発起人が自然人のみで3人以下といった条件を満たす場合の、より低い区分もあります。
freeeの入力画面では資本金を入れると必要な書類が組み替わりますが、手数料の区分までは画面に出てきません。金額の線を意識するのは自分の役目です。会社設立の予算を詰めたいなら、資本金を入力する前に、この区分の表を横に置いておくとよいでしょう。
つまり、資本金を100万円にするか99万円にするかで、定款認証の手数料が1万円変わることになります。会社設立の予算がぎりぎりなら、こういう線を意識して金額を決める手もあります。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「約6万円から設立可能!?会社設立に必要な費用とは?株式会社・合同会社別に解説」(2026年9月9日 確認)
パターン2:株式会社×紙定款(4万円高くなる)

同じ株式会社でも、定款を紙で作ると印紙税4万円がかかります。パターン1の18万9千円に4万円を足して、およそ22万9千円。会社設立の費用としては、けっこうな差です。
なぜ紙だと印紙が要るのか。定款は印紙税法上の課税文書にあたるからです。電子データには印紙を貼れないので、電子定款には印紙税がかからない。制度の隙間のようですが、これは正規の扱いです。
では紙定款を選ぶ理由はあるのか。あるとすれば、電子署名の準備が間に合わないときです。マイナンバーカードもカードリーダーもなく、代行にも出したくない。そういう状況なら、4万円を払って紙で進めるという判断もあり得ます。
ただ、freeeの代行手数料は4万円よりずっと安い設定です。急いでいないなら、代行に出すほうが金額としては合理的でしょう。会社設立を自分で進めるといっても、この部分だけ人に任せるのは十分「自分でやる」の範囲です。
freee会社設立の画面では、定款を紙にするか電子にするかを途中で選びます。ここで紙を選ぶと、あとの案内が印刷と印紙の話に切り替わります。会社設立の費用を左右する分岐なので、選ぶ前に総額を比べておくのが安全です。
なお、合同会社の場合も紙定款なら印紙税4万円がかかります。定款認証は不要でも、印紙税は別の話なので混同しないでください。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「定款認証の費用はいくらかかる?紙・電子別にかかる費用を詳しく解説」(2026年9月9日 確認)
パターン3:合同会社×電子定款(いちばん安い)

費用だけを見るなら、いちばん安いのはこのパターンです。合同会社は公証役場での定款認証が要らず、登録免許税の最低額も6万円。実費はおよそ7万円前後に収まります。

合計はおよそ6万7千円。株式会社の18万9千円と比べると、12万円ほど安く済みます。会社設立の初期費用をとにかく抑えたい人にとっては、有力な選択肢です。
ただし、費用が安いことと事業に合っていることは別です。合同会社は出資者が経営に関わる形なので、株式会社のように所有と経営を分ける仕組みにはなっていません。将来外部から出資を受けたいなら、この形は向きません。
freeeは合同会社の会社設立にも対応していて、入力の流れは株式会社とほぼ同じです。違うのは、定款認証に関する工程が丸ごと消えること。自分で動く先が法務局だけになるので、日程の組み立てもかなり楽になります。
一人で始めて、当面は自分の資金だけで回す。そういう事業なら合同会社で困る場面はほとんどありません。自分でやる会社設立としては、手続きも軽く、費用も安い。まず考えてみる価値のある形です。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「合同会社の設立費用はいくら?自分で登記する際の登録免許税や資本金の相場」(2026年9月9日 確認)
パターン4:創業支援の証明を使う(登録免許税が半額)

最後に、条件が合う人だけが使えるパターンです。市区町村の創業支援等事業による証明書を取得し、登記申請のときに添えると、登録免許税が半額になる制度があります。
株式会社なら15万円が7.5万円に、合同会社なら6万円が3万円に。会社設立の費用としては大きな差です。この制度を知らずに申請してしまう人が多いのは、もったいない話です。
注意点はタイミングです。証明書は登記申請のときに添付しなければならず、会社設立が終わってから取っても差額は戻ってきません。使うなら、登記の前に動く必要があります。
証明を受けるには、自治体が実施する創業支援の事業に参加することが条件になっているのが一般的です。セミナーの受講や相談窓口の利用が要件で、期間が数週間から数か月かかることもあります。
つまり、この制度を使うかどうかは会社設立を急いでいるかどうかで決まります。設立日を早めたいなら7.5万円をあきらめ、時間に余裕があるなら制度を使う。自分の事情で選んでください。
なお、この軽減を使う場合でも、freeeで作る書類の中身が変わるわけではありません。証明書を別に用意して、登記申請の書類一式に足すだけです。会社設立の手続きそのものは、自分でやる範囲も含めて同じように進みます。
要件や窓口は自治体ごとに違います。市区町村の産業振興の担当課か、商工会議所に問い合わせるのが早道です。
この章で参照した情報マネーフォワード クラウド会社設立「会社設立の登録免許税はいくら?計算方法や半額に軽減するコツを解説」(2026年9月9日 確認)
4パターンを並べて比べる

ここまでの4パターンを一覧にします。数字は資本金100万円未満、発起人1名のケースで揃えています。
| パターン | 登録免許税 | 定款まわり | 実費の合計 |
|---|---|---|---|
| 株式会社×電子定款 | 15万円 | 認証3万円+謄本 | 約18.9万円 |
| 株式会社×紙定款 | 15万円 | 認証3万円+印紙4万円 | 約22.9万円 |
| 合同会社×電子定款 | 6万円 | 認証不要 | 約6.7万円 |
| 合同会社+創業支援の証明 | 3万円 | 認証不要 | 約3.7万円 |
印鑑代や印鑑証明書の取得費用を含んだ概算です。2026年9月9日に一次情報で確認した金額をもとにしています。実際の金額は資本金や自治体で変わります。
いちばん高いパターンといちばん安いパターンで、6倍以上の差があります。会社設立の費用は「だいたい20万円」と一括りにされがちですが、選び方でここまで動きます。
ただし、この表を見て安いほうを選ぶのは早計です。合同会社にすれば安いのは事実ですが、事業の性格に合わなければ意味がありません。費用は判断材料のひとつであって、判断そのものではないということです。
この4つのうちどれを選んでも、freeeの入力画面でやることは大きく変わりません。会社の形態を選び、基本事項を入れ、定款の作り方を選ぶ。金額の差は、その選択の結果として外側で生まれます。
freeeの利用料はどのパターンでも0円です。つまり、この表の金額はすべて国と公証人、そして印鑑店に払うお金。自分で会社設立をする限り、ここから削れる部分は限られています。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説」(2026年9月9日 確認)
見落としやすい「実費の外側」の出費

試算には出てこないけれど、実際には出ていくお金があります。会社設立を自分でやる場合、これも見ておいたほうが予算のずれが減ります。
- 交通費:市区町村の窓口、公証役場、法務局。最低でも3か所に足を運びます
- 印刷代:コンビニのマルチコピー機を使うなら、枚数ぶんの実費
- 郵送費:郵送で申請する場合の書留代
- 登記事項証明書:設立後に何通も必要になります。1通あたり数百円
- 自分の時間:金額には出ませんが、これがいちばん大きい
交通費と時間は、住んでいる場所によって大きく変わります。管轄の法務局が遠い人は、往復で半日かかることもあります。会社設立を自分でやると決める前に、自分の管轄がどこかを調べておくとよいでしょう。
登記事項証明書は、設立後に法人口座の開設、社会保険の届出、許認可の申請などで何度も要ります。最初にまとめて数通取っておくと、そのたびに法務局へ行く手間が省けます。
freeeを使うことで減らせるのは、この中では印刷代と時間くらいです。逆に言えば、それ以外の実費はどうやっても発生する。会社設立の費用を考えるときは、削れる部分と削れない部分を分けて見るのが実際的です。
こうした細かい出費を全部足しても、専門家に頼んだ場合の報酬には届きません。自分でやる価値は、やはり金額としては残ります。ただ、時間の値段をどう見るかは人それぞれです。
この章で参照した情報GMOあおぞらネット銀行 起業応援ナビ「会社設立は自分でできる?難易度・費用・時間は?」(2026年9月9日 確認)
設立後にかかり続けるお金も見ておく

会社設立の費用ばかりに目が行きますが、会社は作ったあと毎年お金がかかります。ここを見ずに設立すると、1年後に慌てることになります。
代表的なのが法人住民税の均等割です。利益が出ていなくても、資本金と従業員数に応じた額を毎年納めます。自治体や規模で変わりますが、小規模な会社でも年7万円ほどが目安とされています。
そのほか、決算と税務申告の手間もあります。個人事業の確定申告と比べると、法人の申告は格段に複雑です。自分でやる人もいますが、税理士に頼むなら顧問料や決算料が毎年かかります。
会計ソフトの費用も継続します。freee会計を使うなら月額または年額の利用料が発生します。電子定款の手数料を0円にするために契約するなら、その先の費用も込みで考えるべきです。
freee会計の費用は、電子定款の手数料を0円にする条件として案内されることがあります。1年目だけを見れば得に見えても、契約が続く前提なら2年目以降も費用が出ていきます。会社設立の費用を比べるときは、2年目まで含めた総額で並べてみてください。
こう並べると気が重くなりますが、これは会社を持つことの当然のコストです。会社設立の初期費用より、この毎年の負担のほうが事業の判断に効いてきます。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説」(2026年9月9日 確認)
予算をいくら用意すればいいのか

最後に、実際にいくら用意すればいいのかをまとめます。会社設立の手続き費用と、事業を始めるための資金は分けて考えてください。
- 手続きの実費:株式会社なら20万円、合同会社なら8万円ほどを見ておくと安心です
- 資本金:これは会社に払い込むお金なので、使ってなくなるわけではありません
- 当面の運転資金:家賃や仕入れの3〜6か月分
- 設立後の届出にかかる費用:登記事項証明書の取得など、数千円
- 1年目の維持費:法人住民税の均等割、会計ソフト、必要なら税理士
資本金は「消えるお金」ではなく、会社の口座に移るお金です。ここを勘違いして、資本金と手続き費用を合算して不安になる人がいますが、性質がまったく違います。
freeeの画面では資本金の額を入力する欄がありますが、その金額を用意できるかどうかは自分で判断する話です。会社設立の手続き費用のほうは、資本金とは別に現金で用意しておく必要があります。
freeeの画面は入力を進める道具であって、資金計画を立てる道具ではありません。いくら用意するかは自分で決める部分です。逆に言えば、ここさえ決めてしまえば、会社設立の手続き自体はツールに任せて先へ進められます。
この区別ができていれば、予算の組み立ては難しくありません。手続き費用は上の表のとおり、資本金は事業に必要な額。あとは自分の懐と相談するだけです。
この章で参照した情報会社設立時の資本金の決め方とは?金額設定の目安や払込のやり方を徹底解説「会社設立時の資本金の決め方とは?金額設定の目安や払込のやり方を徹底解説」(2026年9月9日 確認)
まとめ:金額は選び方で決まる

会社設立の総額は、3つの選択で決まります。株式会社か合同会社か、電子定款か紙定款か、創業支援の証明を使うか使わないか。
- 株式会社×電子定款:およそ18.9万円
- 株式会社×紙定款:およそ22.9万円
- 合同会社×電子定款:およそ6.7万円
- 合同会社+創業支援の証明:およそ3.7万円
freeeを使って自分で進める限り、ツールの利用料は0円です。上の金額はすべて外に出ていく実費なので、ここを削るには選び方を変えるしかありません。
freeeを使って自分で会社設立をするというのは、専門家に払うはずだった報酬を、自分の時間に置き換える選択です。その時間をどう見積もるかで、安いと感じるか高いと感じるかが変わります。
そして忘れてはいけないのが、設立後に毎年かかる費用です。初期費用を数万円削るより、事業を続けられる形を選ぶほうが、長い目では効いてきます。
記事中の金額は2026年9月9日に確認したものです。税率も手数料も制度も変わります。実際に予算を組むときは、各章の出典リンクから最新の数字を確かめてください。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「会社設立にかかる登録免許税とは?計算方法や半額にする方法を解説」(2026年9月9日 確認)
会社設立にいくらかかるのかは、調べ始めると情報がばらばらで、かえって不安になる話題です。この記事の数字が、自分の予算を決める足場になれば十分です。
金額が決まれば、あとは手を動かすだけになります。freeeの画面に戻って、決めた形態を選ぶところから再開してください。ここまで調べたなら、もう迷う場所はそう多くありません。
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