公証役場の予約から定款認証まで|自分で連絡する手順
公証役場への予約の取り方から定款認証の当日までを、自分で連絡する前提で整理しました。freeeで作った定款をどう送り、何を確認するかまで書いています。
株式会社の会社設立で、公証役場に連絡するのが気が重い。何を言えばいいのか、何を聞かれるのか分からない。そういう段階の人に向けた記事です。
結論から言えば、電話一本で日程が決まります。実際にやってみると、想像よりずっと事務的で親切な対応が返ってきます。この記事では、連絡から当日までの流れを具体的に書いていきます。
そもそも定款認証とは何か

定款認証とは、公証人が定款の内容を確認して認証する手続きです。株式会社の会社設立には必須の工程になります。
合同会社にはこの工程がありません。定款は作りますが、認証を受ける必要はないためです。
認証を受けていない定款では、法務局への登記申請ができません。つまり、この工程を飛ばすことはできません。
電子定款にしても認証そのものは省けません。省けるのは印紙税4万円だけです。ここを誤解している人が多い部分です。
認証を受ける公証役場は、本店所在地と同じ都道府県内であれば、どこでも構いません。
手数料は資本金の額等によって変わります。100万円未満なら3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、それ以外は5万円です。
さらに、発起人が自然人のみで3人以下、定款に発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があり、取締役会を置く旨の記載がない場合には、より低い区分も設けられています。
この手数料は、freeeなどのツールを使っても変わりません。公証人に払うお金だからです。
会社設立の実費のなかでは、登録免許税に次いで大きな金額になります。
認証が終わったら、認証済みの定款を受け取ります。これが登記申請の必須書類になります。
自分で会社設立を進めるなら、この工程は避けて通れません。
freeeで会社設立の入力を進めると、定款のPDFが出力されます。この定款を持って公証役場に行くことになるので、入力の段階から認証を意識しておくと段取りが立てやすくなります。以下では、連絡から当日までの流れを見ていきます。
以下では、連絡から当日までの流れを見ていきます。
この章で参照した情報日本公証人連合会「9-4 定款認証」(2026年9月9日 確認)
いつ連絡するのがいいか

連絡するタイミングについて、多くの人が誤解しています。「定款が完全に仕上がってから」と思って、いつまでも連絡できずにいるのです。
実際は逆で、案の段階で送って見てもらうのが一般的な流れです。公証人が事前に内容を確認し、直すところがあれば指摘してくれます。
さらに言えば、定款の案ができていなくても連絡できます。「来週あたりに定款認証をお願いしたい」と日程だけ相談することも可能です。
この一本の電話が、会社設立の日数を数日縮めます。予約が取れる日次第で、後ろの工程がすべて動くからです。
公証役場の予約状況は、混んでいれば1週間先になることもあります。早く連絡するほど、選べる日が増えます。
freeeで会社設立の入力を始めた段階で、並行して連絡を入れておくのが理想的です。
決めごとに悩んでいる時間も、予約の待ち時間として消化できます。これが段取りのコツです。
逆に、freeeの入力を全部終えてから連絡すると、そこから予約待ちが始まります。同じ作業量でも数日余分にかかります。
自分で会社設立を進めるなら、この順序を意識してください。
設立日にこだわりがあるなら、なおさら早めに連絡すべきです。
希望日の2〜3週間前には動き始めてください。
freeeの入力を始めた日に、あわせて会社実印も注文しておくと理想的です。会社設立で待ち時間が発生するのは、公証役場の予約と実印の納期、そして印鑑証明書の取得。この3つを初日に動かすのが定石です。電話をかけるのに、準備は要りません。
電話をかけるのに、準備は要りません。
この章で参照した情報公証役場一覧(公証人ナビ)「テレビ電話で電子定款の面前確認ができます」(2026年9月9日 確認)
どこの公証役場に連絡するか

定款認証を受ける公証役場は、本店所在地と同じ都道府県内であれば、どこでも構いません。
つまり、自宅から近い役場を選ぶこともできますし、通いやすい場所を選ぶこともできます。
日本公証人連合会のサイトに、全国の公証役場の一覧が公開されています。ここから探すのが確実です。
役場によって混み具合が違うので、複数に問い合わせて日程を比べるという方法もあります。
テレビ電話での認証に対応しているかどうかも、役場によって違います。出向く時間が取れないなら、この点を確認してください。
対応していれば、公証役場に行かずに認証を受けられます。移動の時間が丸ごと節約できます。
連絡の手段は、電話でもメールでも構いません。テレビ電話での認証を希望するなら、URLを送ってもらう都合上メールが前提になります。
営業時間は平日の日中です。土日祝は閉まっているので、その時間帯に連絡してください。
freeeの画面には公証役場の案内が出ることもありますが、最終的には自分で選んで連絡することになります。
自分で会社設立を進めるなら、この選択も自分でします。
迷ったら、本店所在地に近い役場でよいでしょう。
freeeの入力画面で合同会社を選んでいれば、定款認証に関する案内そのものが出てきません。会社設立の工程がひとつ減るので、日程も数日短くなります。合同会社なら、この工程自体がありません。
合同会社なら、この工程自体がありません。
この章で参照した情報日本公証人連合会「9-4 定款認証」(2026年9月9日 確認)
連絡するときに伝えること

連絡するときに何を伝えればいいのか。整理しておきます。
まず「株式会社の定款認証をお願いしたい」と用件を伝えます。これで担当につないでもらえます。
次に、会社の基本情報です。商号、本店所在地、資本金の額、発起人の人数。これらを伝えると、手数料の見積もりも出してもらえます。
そして希望の日程です。「来週の◯曜日あたりで」と伝えれば、空いている日を教えてもらえます。
あわせて聞いておきたいのが、当日の持ち物、手数料の金額と支払い方法、そして定款の案の送り方です。
テレビ電話での認証に対応しているかも、このときに確認してください。
実質的支配者となるべき者の申告書についても、様式や提出方法を聞いておきます。役場によって扱いが違うことがあります。
電話が苦手なら、メールで問い合わせることもできます。文面に会社の基本情報を書いておけば、返信が具体的になります。
freeeで作った定款のPDFを添付して送ることもできます。標準的な様式なので、内容に問題がなければそのまま進みます。
自分で会社設立を進めるなら、この連絡は自分でします。誰も代わりにやってくれません。
身構える必要はありません。相手は毎日この種の問い合わせを受けています。
freeeで作った定款だと伝える必要はありませんが、聞かれたら「クラウドサービスで作成しました」と答えれば通じます。会社設立の書類としての形式が整っていれば、作成方法は問題になりません。10分ほどの電話で、日程が決まります。
10分ほどの電話で、日程が決まります。
この章で参照した情報公証役場一覧(公証人ナビ)「テレビ電話で電子定款の面前確認ができます」(2026年9月9日 確認)
定款の案を送って見てもらう

日程が決まったら、定款の案を送って見てもらいます。これが事前確認の工程です。
送り方は役場によって違います。メール、ファクス、郵送など。連絡のときに確認してください。
freeeで出力した定款のPDFをそのまま送れば足りることがほとんどです。標準的な様式で作られているためです。
公証人が内容を確認し、法的な問題があれば指摘してくれます。この段階で直せば、当日に慌てずに済みます。
指摘される内容としては、事業目的の表現、公告方法の記載、役員の任期の定め方などがあります。
ただし、公証人が見るのは法的な妥当性です。あなたの意図と合っているかまでは分かりません。
つまり、内容が自分の考えたとおりになっているかは、自分で確認する必要があります。
出力された定款は、印刷して通しで読んでください。会社設立の書類のなかで、いちばん長く影響が続く文書です。
実質的支配者となるべき者の申告書も、この段階で提出を求められることがあります。
事前確認が終われば、当日はほぼ形式的な手続きになります。
自分で会社設立を進めるなら、この事前確認は必ず受けてください。
freeeが出力する定款は標準的な様式なので、大きな指摘を受けることは多くありません。ただし、事業目的の書き方や公告方法の記載については、会社ごとの事情で調整が必要になることがあります。当日に修正を求められて出直すより、はるかに効率的です。
当日に修正を求められて出直すより、はるかに効率的です。
この章で参照した情報日本公証人連合会「9-4 定款認証」(2026年9月9日 確認)
認証の当日にすること

予約の日が来たら、公証役場に出向きます。手続き自体は短時間で終わります。

事前に案を見てもらっているので、当日に修正を求められることはほとんどありません。
本人確認を受けて、書類に署名や押印をして、手数料を払う。それで終わりです。
発起人が複数いる場合、全員が出向く必要があるか、委任状で足りるかは事前に確認してください。
認証が終わったら、認証済みの定款を受け取ります。これが登記申請の必須書類になります。
謄本を追加で交付してもらうこともできます。銀行や許認可の手続きで定款の写しを求められることがあります。
自分で会社設立を進めるなら、この日は半日を空けておいてください。
会社設立の工程のなかで、この日は数少ない「相手のある予定」です。遅刻すると次の予約に影響するので、余裕を持って出発してください。手続き自体は短くても、移動の時間がかかります。
手続き自体は短くても、移動の時間がかかります。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「定款認証とは?手続きの流れや必要な書類・費用を解説」(2026年9月9日 確認)
テレビ電話で認証を受ける場合

電子定款の場合、テレビ電話で面前確認を受けられる仕組みがあります。公証役場に出向かずに済む方法です。
必要なのは、インターネットにつながる環境と、カメラとマイクの付いた端末です。パソコンでもスマートフォンでもタブレットでも構いません。
流れとしては、まず公証役場にメールなどで連絡し、日時を相談します。
定款の案と実質的支配者となるべき者の申告書を事前に送り、内容を確認してもらいます。
当日、送られてきたURLから接続して手続きを行います。接続用のURLをメールで受け取る必要があるので、連絡はメールが前提になります。
利用そのものに追加の費用はかからないのが一般的ですが、通信費は自分の負担になります。
認証手数料は、出向く場合と同じです。ここで差はつきません。
対応しているかどうか、また具体的な手順は公証役場ごとに違います。予約の連絡をするときに確認してください。
遠方の人や、平日に何度も出向けない人には有力な選択肢です。
認証されたデータの受け取り方も、役場によって違います。記録媒体で渡される場合もあります。
自分で会社設立を進めるなら、この仕組みを使えるかどうかで外出の回数が変わります。
会社設立を自分で進める人にとって、外出の回数を1回減らせるのは大きい。平日の半日が浮くことになります。まず問い合わせてみる価値はあります。
まず問い合わせてみる価値はあります。
この章で参照した情報公証役場一覧(公証人ナビ)「テレビ電話で電子定款の面前確認ができます」(2026年9月9日 確認)
freeeの代行を使う場合はどうなるか

freeeの電子定款代行を使う場合、公証役場とのやり取りの一部が代行側で進むことになります。
電子署名を付ける作業や、公証役場への提出が代行されるので、自分で動く手間は減ります。
ただし、どこまでを代行してもらえるのかは申し込む前に確認してください。認証の当日に自分が出向く必要があるかどうかも含めてです。
やり取りの往復が入るぶん、日数の読み方は変わります。自分で全部やる場合と、日程の組み方が違ってきます。
代行の手数料は、会計ソフトの契約などの条件を満たすと0円になる案内が出ています。条件は公式ページで確認してください。
自分で電子署名をするなら、マイナンバーカードとICカードリーダー、対応ソフトが必要です。
すでに機材を持っているなら、自分でやるほうが安く済みます。持っていないなら、代行のほうが合理的です。
会社設立は基本的に一度きりの手続きなので、機材を買っても次に使う機会は限られます。
代行に出しても、定款の内容を決めるのは自分です。出力された定款を読むのは自分の役目になります。
内容を確認せずに申し込むと、意図しない内容のまま認証されてしまいます。
自分で会社設立を進めるなら、この確認だけは飛ばさないでください。
会社設立が終わったあとも、定款は備え置きが必要な書類です。法人口座の開設や許認可の申請で写しを求められることもあります。定款は、会社の基本ルールを定める文書です。
定款は、会社の基本ルールを定める文書です。
この章で参照した情報freee会社設立(公式)「電子定款の作成・認証を格安で代行!自分で設立するならfreee会社設立」(2026年9月9日 確認)
まとめ:電話一本で日程が決まる

公証役場の予約から定款認証までについて、ここまでの内容をまとめます。
- 定款認証は株式会社の会社設立に必須。合同会社にはない
- 電子定款にしても認証は省けない。省けるのは印紙税4万円だけ
- 連絡は定款の案ができた時点で。完成を待つ必要はない
- 公証役場は本店所在地と同じ都道府県内ならどこでもよい
- 連絡時に、持ち物・手数料・案の送り方・テレビ電話の可否を確認する
- 事前に案を見てもらえば、当日に修正を求められることはほとんどない
- テレビ電話に対応している役場なら、出向かずに済む
freeeで作った定款をそのまま送れば足りることがほとんどです。標準的な様式なので、内容に問題がなければ進みます。
自分で会社設立を進めるなら、この最初の一本の電話がいちばん気が重い。でも、かけてしまえばあとは淡々と進みます。
この記事の内容は2026年9月9日時点で確認したものです。手数料も運用も変わります。実際に連絡する前に、各章の出典リンクから最新の内容を確かめてください。
この章で参照した情報日本公証人連合会「9-4 定款認証」(2026年9月9日 確認)
公証役場という名前だけで身構えてしまいますが、相手は毎日この種の問い合わせを受けている専門の窓口です。あなたの質問が特別に的外れだということは、まずありません。
会社の基本情報をメモに書き出して、10分だけ時間を取って電話してください。それだけで、会社設立の日程が数日前倒しになります。
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