freee会計の初期設定と連携|会社設立の直後にやること
freee会計を会社設立の直後から使い始めるための初期設定を、順を追って整理しました。開始残高や口座の連携まで、自分で進める人が迷わないようにまとめています。
freeeで会社設立の登記まで終えて、これからfreee会計を使い始めようとしている人に向けた記事です。設立の書類は作れたけれど、会計のほうは何から手をつければいいのか分からない、という段階を想定しています。
この記事では、事業所の作成から開始残高の設定、口座の連携までを順に見ていきます。会社設立の直後は届出にも追われる時期なので、迷わず進められるように手順を整理しました。
会社設立が終わったら、まず事業所を作る

freee会計を使い始めるときは、まず法人用の事業所を作ります。会社設立で作った法人の帳簿を置く場所を用意する、というイメージです。
個人事業でfreee会計を使っていた人も、法人の事業所は新しく作ります。個人と法人は会計上まったく別の主体なので、データはつながりません。
個人の事業所はそのまま残しておいてください。廃業した年の確定申告に使うので、消してはいけません。
事業所を作るときに、会社名、事業年度、法人番号などを入力します。会社設立の入力で使った情報がそのまま使えるので、手元にPDFを置いておくと早く済みます。
事業年度は、定款で定めたとおりに設定します。ここがずれると、決算の締めの日が合わなくなり、あとで直すことになります。
法人番号は、登記が完了すると国税庁から通知されます。国税庁の法人番号公表サイトでも確認できるので、通知を待たずに調べることもできます。
自分で会社設立を進めた人なら、これらの情報はすべて手元にあるはずです。入力自体は10分ほどで終わります。
会社設立の登記が完了していないと、法人番号は確定しません。登記完了を待ってから事業所を作るか、先に作っておいて番号だけ後から入れるか。自分の進め方に合わせて決めてください。
料金プランも、この段階で選ぶことになります。法人向けのプランは機能によって段階が分かれているので、必要な範囲で選んでください。
この章で参照した情報freee ヘルプセンター「freee会計の初期設定の流れ(新設法人の場合)」(2026年9月9日 確認)
開始残高を設定する

事業所を作ったら、次は開始残高の設定です。事業年度の開始時点で、会社がどんな資産と負債を持っているかを登録します。
設立初年度なら、これはとてもシンプルです。資本金として払い込んだお金が資産としてあり、その分が純資産にある。基本的にはそれだけです。
freeeには開始残高設定ウィザードが用意されていて、設立初年度の法人向けの手順が案内されています。指示に従って入力すれば、迷うことはありません。
注意したいのは、資本金の払い込みを発起人個人の口座にしている点です。会社設立の時点では法人口座がなかったので、そのお金はまだ個人の口座にあります。
この処理をどうするかは、実務上いくつかのやり方があります。法人口座ができてから移す、あるいは役員からの借入として処理するなど、状況によって変わります。
判断に迷うなら、税理士に確認するのが確実です。ここを間違えると、帳簿の最初からずれることになります。
会社設立の費用として個人が立て替えた分がある場合も、その処理を決めておく必要があります。定款に設立費用の定めがあるかどうかでも扱いが変わります。
会社設立の登記が完了するまでに数日から10日ほどかかります。そのあいだの取引をどう扱うかも決めておく必要があります。設立日以降の取引は法人のものとして記帳するのが原則です。
自分で記帳を進めるつもりなら、この開始残高だけは丁寧にやってください。ここが合っていれば、あとの処理は楽になります。
この章で参照した情報freee ヘルプセンター「【法人】開始残高設定ウィザードで開始残高を設定する(設立初年度)」(2026年9月9日 確認)
法人口座を連携する

法人口座が使えるようになったら、freee会計に登録します。口座を連携すると、入出金の明細が自動で取り込まれるようになります。
これがクラウド会計の中心的な機能です。通帳を見ながら手入力する作業がなくなるので、記帳の手間が大きく減ります。
会社設立の直後は、法人口座の開設に時間がかかることがあります。登記事項証明書が必要なので、登記完了を待ってからの申し込みになるためです。
口座ができるまでのあいだの取引は、あとからまとめて記帳することになります。領収書や請求書は、日付順に整理して残しておいてください。
クレジットカードも連携できます。法人カードを作ったら、あわせて登録しておくと経費の記帳が楽になります。
連携の設定自体は難しくありません。金融機関を選んで、ネットバンキングの認証情報を入れるだけです。
自分で会社設立を進めた人なら、この程度の設定に戸惑うことはないでしょう。会社設立の手続きに比べれば、はるかに簡単です。
会社設立の直後は取引の件数が少ないので、連携の設定に時間をかけても負担になりません。取引が増えてから設定するより、いまのうちに整えておくほうが楽です。複数の口座を使う場合は、すべて登録しておきます。あとから増やすこともできます。
複数の口座を使う場合は、すべて登録しておきます。あとから増やすこともできます。
この章で参照した情報freee ヘルプセンター「freee会計の初期設定の流れ」(2026年9月9日 確認)
消費税の設定を確認する

会計ソフトの初期設定で、意外と重要なのが消費税の設定です。ここを間違えると、帳簿の数字がずれます。
設立時の資本金が1,000万円未満なら、原則として1期目と2期目は免税事業者になります。この場合、消費税の処理は不要です。
ただし、インボイス発行事業者に登録すると課税事業者になります。取引先の構成によっては登録が必要になるので、自分の状況を確認してください。
資本金が1,000万円以上なら、1期目から課税事業者です。この場合、最初から消費税の処理が必要になります。
freeeの初期設定では、この課税区分を選ぶ場面があります。会社設立の入力で決めた資本金と、インボイス登録の有無から判断してください。
判断に迷うなら、この項目こそ税理士に確認すべきです。あとから設定を変えると、それまでの記帳をやり直すことになりかねません。
自分で記帳を進めるつもりでも、この設定だけは慎重にやってください。会社設立の直後に決めることのなかで、影響がいちばん長く続く項目のひとつです。
会社設立の段階で資本金を1,000万円未満にしたのは、この免税を意識してのことかもしれません。だとすれば、その意図が設定にも反映されているかを確認してください。自分で決めた前提が、そのまま帳簿の前提になります。
免税事業者であっても、将来課税事業者になる可能性を見越して、区分を意識した記帳をしておくという考え方もあります。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「会社設立後に最長2年間消費税が免除になる?要件や注意点を解説」(2026年9月9日 確認)
役員報酬の設定

会社設立の直後にやることのひとつが、役員報酬の設定です。freee会計を使い始めるこの時期に、あわせて決めることになります。
役員報酬は、定期同額給与として扱うために設立から3か月以内に決めるのが原則です。この期限を過ぎると、1期目の役員報酬が損金にならない場合があります。
金額の判断は税務の領域です。会社の利益の見込み、自分の生活費、社会保険料の負担。これらを合わせて考える必要があります。
役員報酬を高くすれば会社の利益は減りますが、個人の所得税と社会保険料が増えます。逆に低くすれば、会社に法人税がかかります。
この配分の最適解は事業の状況によって変わるので、税理士に相談する価値がある部分です。会社設立の直後に相談先を決めておくと慌てずに済みます。
freeeには人事労務のサービスもあり、給与計算や社会保険の手続きと連携させることができます。役員が自分ひとりでも、給与の処理は必要です。
決めた役員報酬は、株主総会の議事録として残しておきます。あとから証明を求められることがあるためです。
会社設立から3か月というのは、あっという間に過ぎます。届出や口座開設に追われているうちに期限が来るので、カレンダーに入れておいてください。自分で会社設立を進めた人でも、この判断だけは相談する人が多い部分です。金額の影響が大きいためです。
自分で会社設立を進めた人でも、この判断だけは相談する人が多い部分です。金額の影響が大きいためです。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「役員報酬とは?決め方や給与との違い、定期同額給与や事前確定届出給与も解説」(2026年9月9日 確認)
設立後の届出書類との関係

freee会計の初期設定と並行して、税務署などへの届出も進めることになります。この2つは連動しているので、あわせて確認してください。
青色申告の承認申請書を出していないと、freeeで青色申告を前提とした処理をしても意味がありません。期限は設立から3か月を経過した日と1期目の期末のうち早い日の前日までです。
給与支払事務所等の開設届出書も必要です。役員報酬を払うなら、従業員がいなくても提出することになります。
源泉所得税の納期の特例を申請すると、毎月の納付が年2回にまとめられます。小規模な会社では、この特例を使うことが多いようです。
これらの書類は、freeeの設立後の機能で作ることもできます。会社設立の入力で使った情報が引き継げるので、ゼロから入れ直す必要はありません。
社会保険の新規適用届は、事実発生から5日以内という短い期限です。年金事務所への提出になるので、税務署の書類とは別に管理してください。
自分で会社設立を進めた人なら、これらの期限をカレンダーに入れておくのが確実です。会計の設定に集中していると、届出が抜けます。
会社設立の直後は、税務署・年金事務所・自治体と、出す先が分かれています。どこに何を出したかを記録しておかないと、あとで分からなくなります。自分で管理するなら、一覧を作っておいてください。
届出が済んだら、その内容をfreee会計の設定にも反映させます。両方が揃って、はじめて記帳が始められます。
この章で参照した情報国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(2026年9月9日 確認)
最初の記帳を始める

設定が終わったら、いよいよ記帳を始めます。最初に入力することになるのは、たいてい会社設立にかかった費用です。
登録免許税、定款認証の手数料、印鑑の作成費用。これらは個人が立て替えていることが多いので、その処理を決める必要があります。
定款に設立費用の定めがあるかどうかで扱いが変わります。ここは会社設立の段階で決めておくべきことのひとつでした。
立て替えた分は、役員からの借入として処理して後日精算する方法や、創立費として計上する方法などがあります。判断に迷うなら税理士に確認してください。
freeeの画面では、取引を登録する形で入力していきます。勘定科目を選ぶ場面がありますが、候補から選べるので簿記の知識がなくても進められます。
口座を連携していれば、法人口座の入出金は自動で取り込まれます。あとは内容を確認して、勘定科目を選ぶだけです。
自分で記帳を続けるつもりなら、最初の1か月を丁寧にやってください。ここでパターンを作っておくと、あとは同じ処理の繰り返しになります。
会社設立の費用の領収書は、あとから探すと出てきません。手続きの最中に受け取ったものは、その場でまとめて保管しておいてください。領収書は撮影して保存する機能もあります。紙の管理が苦手なら、この機能を使うと楽になります。
領収書は撮影して保存する機能もあります。紙の管理が苦手なら、この機能を使うと楽になります。
この章で参照した情報認定アドバイザー税理士が解説する11項目のチェックリスト「freeeおすすめ初期設定|認定アドバイザー税理士が解説する11項目のチェックリスト」(2026年9月9日 確認)
初期設定のチェックリスト

ここまでの内容を、チェックリストにまとめておきます。会社設立の直後は忙しいので、抜けがないか確認してください。

この8項目が済めば、freee会計を日常的に使える状態になります。あとは取引が発生するたびに記帳していくだけです。
とくに開始残高と消費税の区分は、あとから直すのが大変です。会社設立の直後の段階で、丁寧に確認してください。
freeeの公式ヘルプには、新設法人向けの初期設定の流れが説明されています。この記事より詳しいので、実際に進めるときはそちらを見ながら作業してください。
このリストの項目は、どれも会社設立から数か月のあいだに片づけるものです。一度に全部やる必要はありませんが、期限のあるものから順に進めてください。
自分で全部やるのが不安なら、この段階で税理士に相談するのも手です。初期設定だけ見てもらうという頼み方もできます。
この章で参照した情報freee ヘルプセンター「freee会計の初期設定の流れ」(2026年9月9日 確認)
まとめ:設定は最初が肝心

freee会計の初期設定について、ここまでの内容をまとめます。
- 法人用の事業所を新しく作る。個人のデータとはつながらない
- 事業年度は定款のとおりに設定する
- 設立初年度の開始残高は、資本金が中心でシンプル
- 法人口座を連携すると、明細が自動で取り込まれる
- 消費税の課税区分は慎重に。あとから直すと記帳をやり直すことになる
- 役員報酬は設立から3か月以内に決める
- 青色申告の承認申請など、税務署への届出とあわせて進める
freeeで会社設立の書類を作った人なら、必要な情報はすべて手元にあります。入力自体はそれほど時間がかかりません。
難しいのは、開始残高と消費税の判断です。ここだけは、自分で決めきれないなら税理士に確認してください。
この記事の内容は2026年9月9日時点で確認したものです。画面の名称や手順は変わります。実際に設定するときは、公式ヘルプの記載を優先してください。
この章で参照した情報freee ヘルプセンター「freee会計の初期設定の流れ(新設法人の場合)」(2026年9月9日 確認)
登記が完了して、ようやく会社が動き始めました。ここからは、日々の記帳という別の作業が始まります。会社設立の手続きとは性格が違いますが、これも自分で進められます。
最初の設定さえ丁寧にやっておけば、あとは取引を登録していくだけです。1か月ほど続ければ、パターンが身につきます。
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