弥生の会社設立はどこまで無料か|freeeと比べて確かめる
弥生のかんたん会社設立で無料になる範囲と、別にかかる費用を整理しました。freeeと比べながら、会社設立の総額を自分で計算できるようにしています。
「無料で会社設立ができる」という案内を見て、では本当に0円で会社ができるのかと疑問に思った人に向けた記事です。答えは「ツールの利用料が0円」であって、会社設立そのものは無料ではありません。
この記事では、弥生のかんたん会社設立で無料になる範囲と、別にかかる費用を分けて整理します。あわせて、freeeを使う場合との比較の仕方も書いておきます。
無料なのは、書類作成の利用料

まず言葉を分けます。会社設立にかかるお金は、書類を作るための費用と、国や公証人に払う法定の費用に分かれます。
弥生のかんたん会社設立が無料だと言っているのは、前者のことです。書類作成の利用料が0円という意味になります。
これはfreeeでもマネーフォワードでも同じ構造です。どのサービスも、書類作成そのものは無料で提供しています。
本来、会社設立の書類を司法書士や行政書士に頼めば報酬がかかります。その作業を、質問に答える形の入力画面に置き換えたのがこれらのサービスです。
あなたが自分で入力するぶん、人件費がかからない。だから0円で成り立つという理屈になります。
一方、登録免許税や定款認証の手数料は、誰がどのツールを使っても同じだけかかります。国と公証人に納めるお金だからです。
ここを「無料」と混同すると、あとで金額を見て驚くことになります。当日に現金が足りなくて手続きが止まることもあります。
つまり、無料であることの意味は「専門家に払うはずだった報酬が浮く」ということです。会社設立そのものが無料になるわけではありません。
自分で会社設立を進めるなら、この2階建ての構造を最初に理解してください。
実費がいくらかを知っていれば、予算の心配で手が止まることもありません。
freeeでも弥生でも、この構造はまったく同じです。以下では、それぞれの金額を見ていきます。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「会社設立手続きは自分でできる?かかる費用や必要な手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
会社設立の実費はいくらか

会社設立の実費は、どのサービスを使っても同じです。金額を確認しておきます。

合計するとおよそ19万円です。合同会社なら定款認証が不要で、登録免許税も最低6万円なので、7万円前後に収まります。
紙の定款を選ぶと、ここに収入印紙代4万円が加わります。電子定款にすれば、この4万円はかかりません。
登録免許税は資本金の額×0.7%で計算し、その額が最低額を下回る場合は最低額になります。株式会社は15万円、合同会社は6万円です。
定款認証の手数料は資本金の額等で区分が変わります。100万円未満なら3万円、100万円以上300万円未満なら4万円、それ以外は5万円です。
さらに、発起人が自然人のみで3人以下といった条件を満たす場合には、より低い区分も設けられています。
自治体の創業支援等事業による証明を登記申請時に添えると、登録免許税が半額になります。株式会社なら7.5万円の差です。
freeeを使っても弥生を使っても、この実費は1円も変わりません。この制度を使うほうが、サービスの選び方より節約の効果は大きい。自分で会社設立を進めるなら、まずここを検討してください。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「合同会社の設立費用はいくら?自分で登記する際の登録免許税や資本金の相場」(2026年9月9日 確認)
電子定款の費用の扱い

無料の範囲を確かめるときに、いちばん見るべきなのが電子定款の扱いです。
定款を紙で作ると収入印紙代4万円がかかります。電子定款にすればかかりません。ここはどのサービスでも同じです。
電子定款には電子署名が必要で、自分でやるにはマイナンバーカードとICカードリーダー、対応ソフトが要ります。
機材がない人のために、各社が代行の仕組みを用意しています。この費用の扱いが各社で違うということです。
第三者の比較記事では、弥生は電子定款の費用の扱いがfreeeやマネーフォワードと違うと紹介されることがあります。
freeeの場合、会計ソフトなどの契約を条件に代行手数料が0円になる案内が出ています。条件の中身を確認してください。
ただし、こうした条件は変わります。まとめ記事ではなく、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。
すでにマイナンバーカードとICカードリーダーを持っているなら、自分で電子署名するという道もあります。この場合、各社の条件の違いは関係なくなります。
会社設立の費用を比べるときは、代行手数料と会計ソフトの年間費用を合わせた総額で見てください。
数千円の手数料を浮かせるために必要のない契約をするのは本末転倒です。設立後に使うつもりのソフトかどうかで判断してください。
自分で判断するなら、総額を紙に書き出して比べるのがいちばん確実です。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「会社設立に必要な書類とは?やることリストや合同会社のケースも解説」(2026年9月9日 確認)
設立後の会計ソフトの費用

無料の範囲を考えるとき、設立後の会計ソフトの費用も視野に入れてください。
会社設立は一度きりの手続きですが、会計ソフトは何年も使います。長い目で見れば、こちらのほうが金額としては大きくなります。
弥生にも法人向けの会計ソフトがあり、プランによって料金が分かれています。freeeやマネーフォワードも同様です。
料金体系や含まれる機能が各社で違うので、自分の事業に必要な範囲で比べてください。
電子定款の費用を0円にするために会計ソフトを契約する場合、その1年ぶんの費用が実質的な負担になります。
設立後にそのソフトを使うつもりなら、この交換は素直に得です。使うつもりがないなら、損になります。
記帳を税理士に丸ごと頼むつもりなら、自分で会計ソフトを契約する必要がないこともあります。
その場合は、電子定款の代行手数料をそのまま払うほうが安く済みます。
自分で会社設立を進めるなら、設立後の記帳も自分でやることが多いはずです。その前提で選んでください。
無料の試用期間があるので、会社設立の前に触ってみるという方法もあります。
毎日触るツールなので、数千円の差より使い勝手のほうが影響は大きいと思います。
この章で参照した情報freee・マネフォ・弥生はどれがいい?【2026年版】「クラウド会計ソフト比較|freee・マネフォ・弥生はどれがいい?【2026年版】」(2026年9月9日 確認)
無料の範囲に含まれないもの

実費と会計ソフトの費用のほかにも、無料の範囲に含まれない支出があります。
まず交通費です。市区町村の窓口、公証役場、法務局。最低でも3か所に足を運びます。管轄が遠ければ、それだけ費用も時間もかかります。
印刷代もかかります。自宅にプリンタがなければ、コンビニのマルチコピー機を使うことになります。枚数はそれなりにあります。
郵送で申請する場合は、書留代がかかります。返送用の封筒に貼る切手も必要です。
登記事項証明書は、設立後に何通も必要になります。法人口座の開設、社会保険の届出、許認可の申請などで使います。
印鑑証明書も、設立前と設立後の両方で必要です。1通あたり数百円ですが、通数が積み上がると数千円になります。
これらは金額としては小さいものの、合計すると数千円から1万円ほどになります。予算に入れておいてください。
そして、自分の時間。金額には出ませんが、これがいちばん大きい負担かもしれません。
freeeでも弥生でも、この部分は変わりません。会社設立を自分で進める以上、共通して発生する負担です。
それでも、専門家に頼んだ場合の報酬には届きません。自分でやる価値は、やはり金額としては残ります。
freeeで会社設立を進めても、交通費と印刷代は同じようにかかります。時間の値段をどう見るかは、人それぞれです。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「約6万円から設立可能!?会社設立に必要な費用とは?株式会社・合同会社別に解説」(2026年9月9日 確認)
総額を計算してみる

実際に総額を計算してみましょう。比べるべきは3つの項目です。
ひとつめは会社設立の実費。株式会社で19万円前後、合同会社で7万円前後。どのサービスを使っても同じです。
ふたつめは電子定款の代行手数料。各社で金額と条件が違うので、公式ページで確認してください。
みっつめは会計ソフトの年間費用。手数料を0円にする条件として契約する場合、これが実質的な負担になります。
この3つを各社について計算すれば、総額の比較ができます。実費は共通なので、実際に差がつくのは後の2つです。
計算してみると、思ったより差が小さいことに気づくかもしれません。それはそれで、判断が楽になったということです。
差が小さければ、使い勝手や設立後の連携で選ぶことになります。金額以外の要素で決めて構いません。
自分で会社設立を進めるなら、この30分の計算は惜しまないでください。数千円から数万円の差が出ます。
freeeと弥生とマネーフォワード。3社ぶんの列を作って埋めるだけの作業です。
freeeの条件も弥生の条件も、キャンペーンとして期間が区切られていることがあります。金額が変わりやすい分野なので、計算するのは実際に申し込む直前がいいでしょう。
当サイトの情報も確認日時点のものです。必ず公式ページで確かめてください。
この章で参照した情報会計ソフト比較NAVI「クラウド会計ソフト各社が提供する会社設立支援サービス|会計ソフト比較NAVI」(2026年9月9日 確認)
費用を下げたいなら、先に見るべきこと

会社設立の費用を本気で下げたいなら、サービス選びより先に検討すべきことがあります。
ひとつは会社の形態です。合同会社なら登録免許税が最低6万円で、定款認証も不要。株式会社と比べて12万円ほど安く済みます。
もうひとつは、自治体の創業支援等事業による証明です。登記申請時に添えると登録免許税が半額になります。
株式会社なら7.5万円、合同会社なら3万円の差です。サービスの比較で動く数千円とは桁が違います。
そして電子定款です。紙にすると印紙代4万円がかかるので、ここは迷わず電子を選んでください。
これらを検討したうえで、最後にサービスの比較をする。この順序が合理的です。
創業支援の証明は、登記申請のときに添えないと使えません。会社設立が終わってから取っても差額は戻りません。
条件や窓口は自治体によって違うので、自分の市区町村のサイトで「創業支援」と検索してみてください。
セミナーの受講などが条件になっていることがあり、数週間から数か月かかることもあります。
会社設立を急いでいないなら、検討する価値は十分にあります。
freeeか弥生かで悩む前に、形態と制度を検討する。自分で会社設立を進めるなら、この優先順位を間違えないでください。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「会社設立にかかる登録免許税とは?計算方法や半額にする方法を解説」(2026年9月9日 確認)
無料だから品質が落ちるのか

無料と聞くと品質を疑うのは自然な反応です。ただ、会社設立の書類は基本的に様式が決まっているものです。
法務局が申請書の様式と記載例を公開しており、それに沿っていれば受理されます。
つまり、書類そのものに「良い出来」「悪い出来」の幅はあまりありません。ツールが作った書類だから通らない、ということは起きません。
これはfreeeでも弥生でもマネーフォワードでも同じです。どこで作っても、様式に沿っていれば問題ありません。
差が出るのは、入力する内容のほうです。商号の誤字、住所の表記、氏名の漢字。ここは自分で確認する必要があります。
ツールは入力された内容を正確に書類の形にしますが、内容の妥当性までは判断しません。
出力された書類は、印刷する前に必ず通しで読んでください。印鑑証明書を横に置いて照合するのが確実です。
司法書士に依頼した場合は、内容の妥当性まで見てもらえます。この違いが報酬の中身の一部です。
自分で会社設立を進める以上、このチェックは自分の仕事になります。
無料であることと品質は、直接には関係しません。
freeeが作った書類でも弥生が作った書類でも、法務局は同じように審査します。心配なら、申請前に法務局に電話して確認できます。無料で、しかも一次情報に近い答えが返ってきます。
この章で参照した情報法務局「商業・法人登記の申請書様式」(2026年9月9日 確認)
まとめ:0円の意味を取り違えない

弥生のかんたん会社設立の無料の範囲について、ここまでの内容をまとめます。
- 無料なのは書類作成の利用料。会社設立そのものは無料ではない
- 実費は株式会社で19万円前後、合同会社で7万円前後。どのサービスでも同じ
- 電子定款の費用の扱いは各社で違う。公式ページで確認する
- 設立後の会計ソフトの費用も、総額に含めて考える
- 交通費、印刷代、証明書の手数料も別にかかる
- 費用を下げたいなら、形態の選択と創業支援の制度を先に検討する
- 無料であることと書類の品質は、直接には関係しない
freeeでも弥生でも、無料の構造は同じです。ツールの利用料が0円で、実費は自分で払います。
総額を計算してから選べば、判断を誤ることはありません。30分ほどの作業です。
この記事の金額は2026年9月9日に一次情報で確認したものです。制度も料金も変わります。実際に予算を組むときは、各章の出典リンクから最新の内容を確かめてください。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「会社設立手続きは自分でできる?かかる費用や必要な手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
「無料」という言葉に引っかかりを感じて、この記事にたどり着いたのだと思います。その感覚は正しくて、無料なのはツールの利用料だけです。
それでも、専門家に頼めば数万円から二十万円かかる作業が浮くのですから、価値は十分にあります。浮いたぶんは、事業のほうに回してください。
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