freee会社設立のデメリットと注意点|使う前に知っておく10のこと
freee会社設立を使う前に知っておきたいデメリットと注意点をまとめました。無料で会社設立を自分で進められる一方、ツールでは埋まらない部分がどこにあるのかを具体的に整理しています。
freee会社設立は便利なサービスです。それは前提として書いておきます。そのうえで、使う前に知っておいたほうがいいことがいくつかあります。あとから「そういうことだったのか」と気づくと、余計な時間とお金がかかるからです。
当サイトはfreee株式会社とは関係のない第三者です。褒める義理もけなす義理もないので、会社設立を自分で進めようとしている人の目線で、正直に弱点を並べます。読んだうえで使うかどうか決めてください。
デメリット1:提出は自分でやる。代行ではない

いちばん誤解されやすい点から書きます。freee会社設立は、会社設立の書類を作るサービスです。作った書類を役所に出す部分は含まれていません。
つまり、公証役場に行って定款認証を受けるのも、法務局に登記申請書を持ち込むのも、自分の役目です。平日の日中に動く必要があるので、会社員をしながら準備している人にはここが重い。
司法書士に依頼すれば、この提出まで代わりにやってもらえます。報酬はかかりますが、平日に時間が取れない人にとっては、その価値は小さくありません。
freeeが0円なのは、この提出の手間を自分が引き受けるからです。裏を返せば、手間を引き受けられない事情がある人にとっては、無料であることの意味が薄れます。
会社設立を自分でやると決める前に、平日に半日を2回ほど空けられるかを確認してください。公証役場に1回、法務局に1回。これが最低限の外出回数です。
郵送やオンライン申請で外出を減らす方法もありますが、準備の手間や不備時のやり取りを考えると、初めての人には窓口が結局いちばん確実です。
なお、代行と自分でやることの中間として、電子定款の部分だけ代行に出すという選択もあります。freeeの案内にもその仕組みがあり、公証役場とのやり取りの一部が軽くなります。会社設立を全部ひとりで抱えるか、部分的に任せるかは、平日にどれだけ動けるかで決めるとよいでしょう。
ここを理解せずに始めると、書類ができた段階で「あとは向こうがやってくれる」と思い込み、数日を無駄にすることがあります。最初に線を引いておいてください。
この章で参照した情報freee会社設立(公式)「freee会社設立|無料で安心、簡単に設立手続き」(2026年9月9日 確認)
デメリット2:判断が必要な場面では止まる

freeeの画面は質問形式で進みます。答えを持っていれば速いのですが、決まっていない項目に当たると止まります。そしてツールは、その答えを代わりに考えてはくれません。
典型的なのが事業目的です。候補は表示されますが、自分の事業がその候補にぴったり当てはまるとは限りません。許認可が絡む場合は文言の要件があることもあり、そこまでは画面が教えてくれません。
資本金も同じです。いくらにすべきかは事業の内容と資金繰りで決まります。1,000万円未満なら消費税が原則2期免税、といった知識は必要ですが、いくらにするかを決めるのは自分です。
決算月も、機関設計も、役員の任期も、すべて判断が要ります。会社設立を自分でやるというのは、この判断を全部引き受けるということです。
「入力するだけで会社ができる」という印象で始めると、この判断の重さに驚きます。実際には、入力の前に決めるべきことのほうが多いのです。
freeeの側にも相談の導線はあります。専門家の紹介や法人化の相談窓口が用意されているので、判断で行き詰まったら使うのも手です。
ここで大事なのは、判断の材料をどこで集めるかです。freeeの画面には記載例が出ますが、それは一般的な例であって、自分の事業に当てはまるとは限りません。会社設立の判断で迷ったら、一次情報や所管の窓口に当たるのが結局いちばん確実です。
ただし、相談すれば費用や契約が絡む場面もあります。無料の範囲でどこまで聞けるのかは、申し込む前に確認しておいたほうが安全です。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立を自分で行うには?費用・必要な手続き・設立時のポイントを解説」(2026年9月9日 確認)
デメリット3:電子定款の代行に手数料がかかる

freee会社設立の利用料は0円ですが、電子定款の作成・認証を代行してもらう場合には手数料がかかります。ここは「無料」の外側です。
この手数料は、freeeの会計ソフトなどを契約すると0円になる案内が出ています。ただし、その契約自体に費用がかかるので、実質的にはトレードオフです。
設立後にfreee会計を使うつもりなら、この交換は得です。どのみち記帳の手段は要りますから。逆に、別のソフトや税理士に任せるつもりなら、手数料を浮かせるためだけに契約するのは本末転倒です。
自分で電子署名をすれば代行に出さずに済みますが、マイナンバーカードとICカードリーダー、対応ソフトが要ります。持っていない人がこのために買うのは、金額としては微妙なところです。
会社設立の費用を比べるときは、ツールの利用料+代行手数料+設立後1年ぶんの会計ソフト費用で並べるのが公平です。0円という表示だけを見て決めると、総額を見誤ります。
もうひとつ、契約の期間にも目を向けてください。年間契約が条件になっている場合、途中でやめても費用は戻らないのが普通です。会社設立の一時的な節約のつもりが、1年ぶんの固定費になることもあります。自分の設立後の使い方を先に決めておきましょう。
キャンペーンの条件は変わります。この記事の内容は2026年9月9日時点のものなので、申し込む前に必ず公式ページで確かめてください。
この章で参照した情報freee会社設立(公式)「設立代行手数料が通常5,000円→0円に!」(2026年9月9日 確認)
デメリット4:標準から外れるケースには弱い

freee会社設立が得意なのは、標準的な形の会社設立です。発起人が数名、取締役も数名、資本金は現金。この範囲なら問題なく進みます。
一方、種類株式を発行したい、外国籍の発起人がいる、現物出資をしたい、複雑な機関設計にしたいといったケースでは、標準の様式から外れます。
こういう場合、ツールで作った書類をそのまま出しても通らないことがあります。会社設立の段階で無理に押し通すより、司法書士に相談したほうが結果的に速く安く済みます。
自分のケースが標準的かどうかの見分け方は簡単です。発起人も取締役も自分ひとり、許認可なし、資本金は現金だけ。この3つがそろっていれば、まず標準の範囲です。
どれかから外れるなら、freeeで入力を進めながらも、どこかで人に確認する場面が出てくると考えておいてください。
freeeの画面で入力できてしまうからといって、その内容で登記が通るとは限りません。標準から外れるケースでは、法務局の窓口で追加の書類を求められることもあります。会社設立の前に一度、管轄の法務局に電話して自分のケースを伝えておくと、無駄な往復を避けられます。
会社設立を自分でやること自体が目的ではありません。事業を始めるための手段です。ツールで無理に完走しようとして時間を失うくらいなら、部分的に頼るほうが合理的です。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「会社設立手続きは自分でできる?かかる費用や必要な手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
デメリット5:入力ミスはそのまま登記される

freeeは入力された内容を正確に書類の形にします。逆に言えば、間違った内容を入れれば、間違った書類ができます。
よくあるのが、商号の表記、本店所在地の番地、氏名の漢字。この3つは間違いが多く、しかも間違えたまま登記されると、直すのに変更登記の手続きと費用がかかります。
氏名の漢字は特に注意が必要です。印鑑証明書に旧字体で載っているなら、書類も旧字体で揃えなければなりません。ここは自分では気づきにくい部分です。
出力されたPDFは、印刷する前に必ず通しで読んでください。印鑑証明書を横に置いて、1文字ずつ照合するくらいでちょうどいい。会社設立の書類は、あとから直すのが面倒なものばかりです。
freeeが作った書類同士は整合が取れていますが、自分で手を加えた部分や別途用意した書類との間ではずれが起こります。確認はツールの外で用意したものを重点的に。
確認のコツは、ひとりで読み返さないことです。会社設立の書類は自分で入力したものなので、目が滑ります。可能なら家族や共同創業者に、印鑑証明書と突き合わせて読んでもらってください。freeeが出したPDFでも、確認する人の目はもう一組あったほうがいいです。
この点は、司法書士に頼んだ場合との差でもあります。専門家なら、内容の妥当性まで見てくれます。自分でやる以上、そのチェックは自分の仕事です。
この章で参照した情報法務局「商業・法人登記の申請書様式」(2026年9月9日 確認)
デメリット6:設立後の判断までは面倒を見てくれない

会社設立が終わったあと、税務署や年金事務所に出す届出が続きます。freeeにはこれらの書類を作る機能もあるので、そこは便利です。
ただし、出すか出さないかの判断、いつ出すかの判断までは自分でします。たとえばインボイスの登録をするかどうかは、取引先の構成によって答えが変わります。
役員報酬をいくらにするかも同じです。設立から3か月以内に決める必要がありますが、金額の判断は税務の話です。ここはツールの領域を超えています。
青色申告の承認申請のように、期限を過ぎると不利になるものもあります。会社設立の直後は他のことにも追われるので、期限の管理は自分でカレンダーに落としてください。
freeeの画面には設立後にやることの案内も出ますが、それを見て動くかどうかは自分次第です。案内が出ていても、自分で読まなければ意味がありません。
設立後の期限で特に短いのが社会保険の届出です。事実発生から5日以内に年金事務所へ出すことになっていて、会社設立の直後でいちばん急ぐ手続きです。freeeの案内にも出てきますが、登記完了を待つ必要があるので、自分で日程を管理しないと簡単に遅れます。
この領域で不安があるなら、税理士に相談するのが早いです。会社設立の書類作成は自分で、税務の判断は専門家に。この分け方は十分に現実的です。
この章で参照した情報国税庁「No.5100 新設法人の届出書類」(2026年9月9日 確認)
デメリット7:サポートの範囲には限りがある

freeeにはヘルプセンターとサポート窓口があります。ここで答えてもらえるのは、基本的にツールの使い方です。
「この画面で何を入れればいいか分からない」は聞けます。「うちの事業だとこの事業目的で許認可が通るか」は、ツールのサポートの範囲を超えます。
後者は、所管の行政庁か、司法書士・行政書士が相手です。会社設立を自分で進めるときは、誰に聞けば答えが返ってくるのかを見分ける力が要ります。
法務局にも相談の窓口があります。登記の書類の書き方については、管轄の法務局に電話で聞けます。無料で、しかも一次情報に近い答えが返ってきます。
公証役場も同じです。定款の内容について事前に見てもらえるので、認証の前に相談するのは普通の流れです。
税務の判断は税理士、登記の代理は司法書士と、法律で扱える人が決まっている領域もあります。無料で何でも答えてもらえるわけではないのは、ツールの側の問題ではなく制度の話です。会社設立を自分で進めるなら、この線引きも知っておくと納得しやすくなります。
freeeのサポートだけで全部を解決しようとすると、行き詰まります。窓口を複数持っておくのが、自分でやる人のコツです。
この章で参照した情報freee ヘルプセンター「freee会社設立(ヘルプカテゴリー)」(2026年9月9日 確認)
注意点:それでもfreeeを選ぶ理由

ここまで弱点を並べてきましたが、それでもfreeeを使う価値はあります。最大の利点は、会社設立に必要な書類が一度に揃うことです。

法務局の様式は公開されているので、その気になれば自分で全部作れます。ただ、書類同士の整合を取り、抜けなく揃えるのは、初めての人には骨が折れます。
freeeはそこを引き受けてくれます。判断は自分でしなければならないけれど、手を動かす部分は肩代わりしてくれる。この分担が納得できるなら、使う価値は十分あります。
とくに設立後の届出書類まで作れる点は、地味ですが効きます。会社設立の登記が終わったあとは気が抜けがちで、届出を忘れやすい時期です。同じ画面から続けて書類が出せると、自分で管理する負担が減ります。
弱点を知ったうえで使うのと、知らずに使うのとでは、途中で止まったときの対処がまったく違います。この記事がその役に立てば十分です。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立に必要な書類は主に11種類!一覧リストや作成・提出方法をわかりやすく紹介」(2026年9月9日 確認)
まとめ:向いている人と、そうでない人

ここまでのデメリットと注意点を踏まえて、向き不向きを整理します。
freee会社設立は、会社設立を自分でやると決めた人にとって強力な道具です。ただし道具である以上、使い手の判断が要ります。
もし読み終えて「自分には向いていないかもしれない」と感じたなら、それも有益な結論です。会社設立の方法はひとつではありません。freeeで書類だけ作って提出は司法書士に頼む、という組み合わせも成り立ちます。自分の条件に合う形を選んでください。
ここに挙げた注意点は2026年9月9日時点で確認した内容です。サービスの対応範囲も料金も変わります。使う前に、公式ページで最新の内容を確かめてください。
この章で参照した情報会社設立「自分でやる」VS「専門家に依頼」どちらがおトクなの?「会社設立「自分でやる」VS「専門家に依頼」どちらがおトクなの?」(2026年9月9日 確認)
サービスの良いところだけを読んで始めると、途中でつまずいたときに「話が違う」と感じます。先に弱点を知っておけば、そこは想定内として処理できます。
そのうえで、会社設立を自分でやると決めたなら、あとは工程を順にたどるだけです。判断で迷ったところだけ人に聞く。その使い分けができれば、freeeは十分に頼れる道具になります。
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