専門家にどこを頼むか|税理士・司法書士・社労士の分担
会社設立で専門家に頼める範囲を、資格ごとに整理しました。freeeで自分で進めながら、重い工程だけ任せたい人のための記事です。
freeeで会社設立を自分で進めるつもりだけれど、全部は無理かもしれない。そう感じている人に向けて書いています。
専門家に頼むのは、全部か無かの選択ではありません。工程ごとに分けられます。誰が何をできるのかを知れば、自分に必要な部分だけ頼めます。この記事では、その分担を整理します。
資格ごとにできることが決まっている

まず前提として、専門家の業務は資格ごとに決まっています。
誰でも何でもできるわけではありません。

これは法律で定められている区分なので、料金の高い安いとは別の話です。
誰に何を頼めるかを知らないまま探すと、時間を無駄にすることがあります。
会社設立の登記を他人が代理して申請するのは、司法書士または弁護士の業務です。
記帳の代行や、決算書の作成もこの範囲に含まれます。
税務署への届出や申告を代理するのは、税理士の業務です。
社会保険や労働保険の手続きの代行は、社会保険労務士の業務です。
電子定款の作成を代行しているのは、行政書士や司法書士の事務所であることが多いです。
定款などの書類作成は、行政書士も担えます。
ただし、自分の会社の手続きを自分でやるのは、どれも問題ありません。
freeeで自分で会社設立を進めるというのは、この本人手続きのことです。
会社設立の手続きは、本人が行う限りは資格を問われません。
つまり、専門家に頼むかどうかは義務ではなく選択です。
freeeで会社設立を進める人が最初に会うのは、多くの場合、税理士か司法書士のどちらかです。
この分担を知っておくと、どこに何を相談すればよいかが見えてきます。
自分で会社設立を進めるとしても、この地図は持っておいて損はありません。
この章で参照した情報税理士が解説する基礎知識「会社設立を自分でする前に知るべきこと|税理士が解説する基礎知識」(2026年9月9日 確認)
登記を司法書士に頼む場合

登記の部分だけ司法書士に頼むという選択があります。
freeeの会社設立ツールで書類を作って、申請だけ任せるという形です。
freeeの会社設立ツールで作った書類を渡して、そこから先を任せるという分担になります。
書類の内容が固まっているので、依頼の説明も短く済みます。
この場合、法務局に行く必要がなくなります。
不備の内容によっては、法務局に何度か足を運ぶことになります。その往復を代わってもらう形です。
補正が出たときの対応も任せられます。
平日の日中に動けない人にとっては、この価値は大きいです。
会社設立の登記だけを単発で受けている事務所もあれば、顧問契約とセットの事務所もあります。
報酬の額は事務所によって異なります。事前に確認してください。
法定費用とは別にかかる費用になります。
登記が完了するまでの期間も、専門家に任せたほうが読みやすくなることがあります。
登記の完了日が読めると、法人口座の申し込みや取引の開始も計画しやすくなります。
書類の不備で往復する時間が減るからです。
freeeで会社設立を進めながら、この部分だけ外に出すという使い方はあり得ます。
そこは目的の違いなので、どちらが正しいという話ではありません。
ただ、費用をかけたくないから自分でやるという人には、この選択は合いません。
自分で会社設立を進める目的が何かによって、答えが変わります。
freeeで会社設立を始めた動機を思い出せば、答えは自分のなかにあるはずです。
時間を優先するのか、費用を優先するのかということです。
この章で参照した情報【税理士監修】会社設立をネット申請するには?合同会社設立の方法やメリット「【税理士監修】会社設立をネット申請するには?合同会社設立の方法やメリット」(2026年9月9日 確認)
税理士に頼む場合

税理士に頼む範囲は、会社設立の前後にまたがります。
設立前なら、資本金や決算月についての相談です。
freeeの会社設立の入力を始める前に相談しておくと、あとで直す手間が生まれません。
これらの判断には税務の影響があるので、決める前に聞く価値があります。
設立後なら、税務署への届出、記帳、決算、申告です。
期限のある届出をひとつでも逃すと、1期目の税務に影響が出ることがあります。
青色申告の承認申請書のように、期限のある書類の管理も任せられます。
税理士との関係は、多くの場合そこから継続します。
会社設立の直後は取引が少ないので、決算だけ頼むという形から始める人もいます。
事業が育ってきたら、顧問契約に切り替えるという進め方もできます。
毎月の顧問契約という形か、決算だけ頼む形かを選ぶことになります。
費用は事務所と契約の形によって大きく変わります。
freeeでは、会社設立や起業に強い税理士を探せるサービスも案内されています。
freee会計を使うつもりなら、freeeに対応している税理士を選ぶと話が早くなります。
同じ画面を見ながら相談できるからです。
自分で会社設立を進めた人でも、申告だけは頼むという判断はよくあります。
freeeで会社設立をして、freee会計で記帳して、申告だけ税理士に見てもらう。この形はよくある組み合わせです。
法人の申告は個人の確定申告より複雑だからです。
この章で参照した情報freee会社設立(公式)「経営の相談ができる専門家(税理士や会計士、社労士)をご紹介」(2026年9月9日 確認)
社労士に頼む場合

社会保険労務士に頼む範囲は、社会保険と労働保険の手続きです。
会社設立の直後なら、年金事務所への新規適用届が対象になります。
ひとりで会社設立をした場合、この手続きは自分でもできる範囲です。
窓口で書き方を教えてもらいながら記入する、という進め方もできます。
書式も公開されていますし、年金事務所で相談もできます。
freeeで会社設立をした直後に人を雇う予定があるなら、早めに相談しておく価値があります。
ただ、人を雇い始めると話が変わります。
雇用保険の手続き、労働保険の年度更新、就業規則の作成。
従業員の入退社のたびに手続きが発生するので、件数も増えていきます。
これらが加わると、自分でやるのは負担が大きくなります。
freeeで会社設立をして、しばらくひとりで運営するなら、社労士は後回しでよいでしょう。
人を雇うことになった時点で、あらためて考えればよい話です。
freeeでは、社労士を含む専門家の紹介も案内されています。
自分で会社設立を進めた人は、まず自分でやってみて、限界を感じたら頼むという順番でよいでしょう。
一度自分でやると、何が大変かが分かります。
自分で会社設立を進めた経験は、専門家とのやりとりでも役に立ちます。
その経験があると、頼むときの説明も的確になります。
この章で参照した情報日本年金機構「新規適用の手続き」(2026年9月9日 確認)
相談だけするという使い方

手続きを任せるのではなく、相談だけするという使い方もあります。
freeeの会社設立ツールで足りないのは判断の部分だと書きました。
その判断だけを専門家に聞くという方法です。
資本金をいくらにするか。決算月をいつにするか。株式会社か合同会社か。
会社設立の全体を任せなくても、この部分だけなら短い時間で済みます。
これらは1回の相談で方向が見えることが多い論点です。
スポットの相談に応じている事務所もあります。
freeeでは、法人化についての相談カウンターも案内されています。
無料の相談窓口を使うという選択もあります。
商工会議所や、自治体の創業支援窓口などです。
会社設立の相談に無料で応じている窓口は、思っているより多くあります。
これらを使えば、費用をかけずに判断の材料を得られます。
登記が終わってから直すのは手続きが要りますが、入力の前なら何度でも変えられます。
freeeで会社設立の入力を始める前に、一度相談しておくと手戻りが減ります。
自分で会社設立を進めることと、誰にも聞かないことは別です。
調べる時間を短縮するために人に聞く、というのはごく普通の進め方です。
聞いたうえで自分で決める。それが自分でやるということです。
この章で参照した情報freee会社設立(公式)「freee法人化相談カウンター」(2026年9月9日 確認)
費用の考え方

費用の考え方を整理します。
自分で会社設立を全部やれば、費用は法定費用だけで済みます。
専門家に頼めば、その分の報酬が加わります。
ただ、自分でやる場合にかかる時間も費用の一種です。
公証役場と法務局に行く時間、調べる時間、書類を直す時間。
freeeで会社設立を自分で進める人は、この計算を一度してみてください。
その時間を事業に使えていたら、いくらの価値があったか。
この比較で考えると、答えが変わることがあります。
手続きに使う一日が、売上の一日と重なるなら、その比較は明確です。
事業がすでに動いていて忙しいなら、外注する価値は高いです。
逆に、これから立ち上げる段階で時間があるなら、自分でやる価値があります。
freeeで会社設立を進める人の多くは、費用を抑えたいという動機を持っています。
その場合でも、重い工程だけ部分的に頼むという選択は残ります。
全部を天秤にかける必要はありません。
freeeの会社設立ツールを使い始めてから頼んでも、遅くはありません。
自分で会社設立を進めながら、詰まった部分だけ相談してください。
この章で参照した情報税理士紹介センター ビスカス「freee対応の税理士をご紹介|税理士紹介センター ビスカス」(2026年9月9日 確認)
頼むときに伝えること

専門家に連絡するときに、伝えておくとよいことがあります。

まず、会社の形態と現在の進捗です。
freeeで会社設立の書類をどこまで作ったかを伝えると、話が早くなります。
次に、いつまでに登記を終えたいかです。
希望の時期があるなら、最初に伝えてください。間に合うかどうかで進め方が変わります。
そして、頼みたい範囲です。全部か、特定の工程だけか。
部分的に頼みたいなら、その旨をはっきり伝えてください。
事業の内容も伝えると、税務の助言が具体的になります。
合わなければ別の事務所を探せばよいので、遠慮する必要はありません。
予算の目安も、早い段階で共有したほうがお互いに楽です。
自分で会社設立を進めてきた人なら、これらはすべて自分の頭にあるはずです。
freeeで会社設立の入力をした画面を見せながら話せる相手なら、さらに話が早くなります。
整理して伝えるだけで、相談の質が変わります。
この章で参照した情報freee(公式)「会社設立・起業に強いおすすめの税理士一覧|freee税理士検索」(2026年9月9日 確認)
頼まないという判断もある

最後に、頼まないという判断についても書いておきます。
freeeの会社設立ツールを使えば、書類は作れます。
公証役場も法務局も、初めての人に対応することに慣れています。
事前に相談すれば、教えてもらえます。
freeeの会社設立ツールが書類の部分を引き受けてくれるので、残るのは足を運ぶ作業です。
手続きそのものは、時間さえあれば自分でやりきれる内容です。
自分で会社設立を進めると、自分の会社のことが分かります。
定款に何を書いたか、登記簿に何が載っているか。
会社を続けるかぎり、登記に関わる手続きは何度か発生します。
この知識は、あとから効いてきます。
本店を移すとき、目的を追加するとき、役員を変えるとき。
一度経験していれば、次は自分で動けます。
freeeで会社設立を自分で進めた人は、その経験を手に入れています。
それは費用の節約以上の価値があるかもしれません。
自分で会社設立をやりきった人も、専門家に任せた人も、同じ会社を手に入れます。
どちらを選んでも、間違いではありません。
この章で参照した情報税理士が解説する基礎知識「会社設立を自分でする前に知るべきこと|税理士が解説する基礎知識」(2026年9月9日 確認)
まとめ:工程ごとに選べる

ここまでの内容をまとめます。
- 登記の代理は司法書士か弁護士、税務代理は税理士、社会保険の手続きは社労士
- 自分の会社の手続きを自分でやるのは、どれも問題ない
- 登記だけ、届出だけ、というように工程ごとに頼める
- 相談だけするという使い方もある
- 自分でやる場合の時間も費用の一種として比べる
- 相談の前に、形態、進捗、希望時期、頼みたい範囲を整理する
- 全部自分でやりきると、経験が残る
freeeで会社設立を進めながら、重い部分だけ頼むという選び方ができます。
平日に動ける時間があるか、判断に自信があるか。この2つが分かれ目になります。
どこが重いかは人によって違います。自分の状況で判断してください。
この記事の内容は2026年9月9日時点で確認したものです。各事務所の対応や費用は変わります。実際に依頼する前に、直接確認してください。
この章で参照した情報freee会社設立(公式)「経営の相談ができる専門家(税理士や会計士、社労士)をご紹介」(2026年9月9日 確認)
専門家に頼むかどうかで迷っているなら、まず自分で始めてみるという手があります。freeeで書類を作るところまでは無料です。そこまで進めば、次の工程が自分にとって重いかどうかが分かります。
重いと感じたら、そこで頼めばよいのです。作った書類は無駄になりません。始めてみることと、全部やりきることは、別の話です。
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