freee開業とfreee会社設立の違い|個人事業主のままか法人にするか
freee開業とfreee会社設立の違いを、手続きの重さと税金の扱いから整理しました。個人事業主のままでいくか会社設立に進むかを、自分で判断できるようにまとめています。
これから事業を始めようとしていて、個人事業主として開業するか、最初から会社を作るかで迷っている人。あるいは、freeeで検索したら「開業」と「会社設立」という似た名前のサービスが出てきて混乱している人。
この記事では、まずサービスの違いを整理し、そのうえで個人事業主と法人のどちらを選ぶかの判断材料を並べます。会社設立を自分で進める前に、そもそも法人にすべきかを考えるための記事です。
freee開業とfreee会社設立は、別のサービス

freeeには名前の似たサービスがいくつかあります。freee開業は個人事業の開業届などを作るもの、freee会社設立は法人の設立書類を作るものです。目的がまったく違います。
freee開業で作るのは、税務署に出す開業届と青色申告承認申請書が中心です。個人事業主として事業を始めるための書類なので、登記は関係ありません。
一方、freee会社設立で作るのは、定款や登記申請書といった法人設立のための書類です。公証役場や法務局に出すことになるので、手続きの重さがまるで違います。
アカウントは共通なので、ログインには成功するのにお目当ての入力欄が出てこない、ということが起こります。会社設立の書類を作りたいなら、freee会社設立の入口から入ってください。
費用の面でも差があります。個人の開業には登記が要らないので、実費はほぼゼロ。法人の会社設立には登録免許税などの実費がかかります。
手続きにかかる期間も違います。開業届は税務署に出すだけなので即日で済みますが、会社設立は登記の完了まで含めて2〜3週間かかります。
自分でどちらを使うべきかは、個人事業主として始めるか法人として始めるかで決まります。まずそこを決めてから、サービスを選んでください。
なお、個人事業主として始めてから法人成りすることもできます。その場合、最初はfreee開業、あとでfreee会社設立という順番になります。
この章で参照した情報freee(公式)「freee開業にログイン」(2026年9月9日 確認)
手続きの重さがまったく違う

個人事業の開業と法人の会社設立では、手続きの重さが桁違いです。ここを知らずに法人を選ぶと、思ったより大変だったということになります。

個人事業の開業は、極端に言えば税務署に開業届を1枚出せば終わります。freee開業を使えば、その書類が数分で作れます。
法人の会社設立は、決めごとから始まり、定款の作成、公証役場での認証、資本金の払い込み、法務局への登記申請、そして設立後の届出と続きます。
この差を見て「まず個人で始めよう」と考えるのは、まったく自然な判断です。実際、多くの人がそうしています。
一方で、最初から法人でなければ取引できない相手がいるなら、この手間を引き受ける理由になります。判断は自分の事業の相手次第です。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「個人事業主からの法人化とは?必要な手続きや流れなどをわかりやすく解説」(2026年9月9日 確認)
税金の扱いが変わる

個人事業主と法人では、かかる税金の仕組みが違います。個人には所得税、法人には法人税がかかります。
所得税は累進課税で、所得が増えるほど税率が上がります。法人税は税率がほぼ一定なので、所得が一定の水準を超えると法人のほうが有利になる場面が出てきます。
よく言われる目安として、個人事業の所得が800万円を超えたあたりから法人化を検討するという話があります。ただしこれは条件次第で変わるので、目安以上のものではありません。
また、法人にすると自分に役員報酬を払う形になり、その分に給与所得控除が使えます。この効果も法人が有利になる理由のひとつです。
一方で、法人には赤字でも法人住民税の均等割がかかります。小規模な会社でも年7万円ほどが目安とされていて、これは個人事業にはない負担です。
消費税の扱いも違います。設立時の資本金が1,000万円未満なら、原則として法人の1期目と2期目は免税事業者になります。個人事業から法人成りする人が、このタイミングを意識するのはこのためです。
ただし、インボイス発行事業者に登録すると課税事業者になるので、免税の恩恵は受けられません。取引先の構成によっては登録せざるを得ないこともあります。
この判断は税務の領域です。会社設立を自分で進めるとしても、金額の判断だけは税理士に相談する価値があります。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「個人事業主が法人化(法人成り)する最適なタイミングと目安年収は?」(2026年9月9日 確認)
信用と取引先の目線

税金以外の理由で法人を選ぶ人も多くいます。いちばん多いのが、取引先との関係です。
業界によっては、法人としか取引しないという方針の会社があります。この場合、個人事業主のままでは仕事が受けられないので、会社設立が事業の前提条件になります。
大企業と直接契約する場合や、官公庁の入札に参加する場合も、法人格が求められることがあります。事前に取引先の条件を確認しておくべきです。
採用の場面でも差が出ることがあります。人を雇うつもりなら、法人のほうが求職者に安心感を与えやすいという面はあります。
銀行からの融資でも、法人のほうが評価されやすい場面があります。ただし、個人事業主でも融資は受けられるので、これだけを理由に会社設立をする必要はありません。
逆に、個人の顧客が相手の事業や、自分ひとりで完結する事業なら、法人格が話題になることはほとんどありません。
freeeで会社設立を進めるかどうかを決める前に、これから3年のあいだに誰と取引するのかを想像してみてください。答えが見えてきます。
自分で判断がつかないなら、いま取引している相手や、これから取引したい相手に直接聞いてみるのがいちばん確実です。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「法人化(法人成り)とは?メリットやデメリット、最適なタイミングについて徹底解説」(2026年9月9日 確認)
事務の手間と費用の差

会社設立の費用ばかりに目が行きますが、法人は作ったあとの手間と費用も個人事業とは違います。
決算と申告の作業が格段に複雑になります。個人の確定申告と比べると、法人税の申告は専門的で、自分でやるのは負担が大きい。税理士に頼むなら、顧問料や決算料が毎年かかります。
社会保険への加入も必須になります。法人は役員1人でも健康保険と厚生年金の適用事業所になるので、保険料の負担が発生します。
法人住民税の均等割も、赤字でもかかります。小規模な会社で年7万円ほどが目安とされています。
一方、個人事業主なら国民健康保険と国民年金で済み、赤字なら所得税も住民税もかかりません。この差は、事業が小さいうちほど効いてきます。
freee会計の費用も、個人向けと法人向けで料金が違います。会社設立を機に法人向けのプランに変えることになるので、その分も見込んでおいてください。
自分で会社設立をするなら初期費用は抑えられますが、維持の費用は誰がやっても同じだけかかります。ここを見落とさないようにしてください。
つまり、法人化は「税金が安くなるから」だけで決めるものではありません。維持の費用を差し引いて、それでも有利かを考える必要があります。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「会社設立の費用はいくら?株式会社と合同会社の維持費もわかりやすく解説」(2026年9月9日 確認)
まず個人で始めて、あとから法人にする道

迷っているなら、まず個人事業主として始めて、事業が育ってから法人にするという道があります。これを法人成りと言います。
この進め方の利点は、初期の負担が軽いことです。開業届を出すだけで始められるので、事業が軌道に乗るかどうか分からない段階でリスクを取らずに済みます。
freeeで言えば、最初はfreee開業を使い、法人化のタイミングでfreee会社設立を使うという流れになります。会計ソフトも、個人向けから法人向けに切り替えます。
法人成りのタイミングとしては、所得が一定の水準を超えたとき、取引先から法人格を求められたとき、人を雇うことになったときなどが挙げられます。
消費税の観点から、課税売上高が1,000万円を超えた翌々年に法人成りするという考え方もあります。免税の期間を活かす方法です。
ただし、法人成りには手続きが伴います。個人事業の廃業届を出し、法人の会社設立をして、資産や契約を引き継ぐ。それなりの作業量になります。
自分でどちらを選ぶかは、事業の見通しと、いま取引したい相手によります。急いで法人にする理由がないなら、個人で始めるのは合理的な判断です。
逆に、最初から法人でなければ始められない事業なら、迷わず会社設立に進んでください。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「個人事業主からの法人化とは?必要な手続きや流れなどをわかりやすく解説」(2026年9月9日 確認)
freee開業でできること

freee開業は、個人事業主として事業を始めるための書類を作るサービスです。会社設立と違って、作る書類も出す先も少なくて済みます。
主に作れるのは、個人事業の開業・廃業等届出書と、所得税の青色申告承認申請書です。屋号や事業の内容を入力すると、書類が組み立てられます。
青色申告の承認申請は、期限があります。原則として開業から2か月以内に出す必要があるので、開業届と一緒に出してしまうのが確実です。
出す先は税務署だけです。会社設立のように公証役場や法務局に行く必要はないので、手続きは1日で終わります。
実費もほぼかかりません。書類の郵送費くらいです。会社設立で必要な登録免許税のようなものはありません。
そのあとの記帳は、freee会計の個人向けプランで進めることになります。法人成りしたら、法人の事業所を別に作って切り替えます。
自分で事業を始めるなら、まずここから、というのがいちばん軽い入り方です。合わなければ廃業届を出すだけで終われます。
法人成りするときは、この個人事業を廃業する手続きも必要になります。そのときはまた別の書類を作ることになります。
この章で参照した情報freee(公式)「freee開業にログイン」(2026年9月9日 確認)
判断のための質問リスト

個人事業主でいくか会社設立に進むか。判断のための質問を並べておきます。
- 取引先から法人格を求められているか:求められているなら、会社設立が事業の前提条件になります。
- 年間の所得はどれくらいの見込みか:目安として800万円を超えるなら、法人化の検討価値があります。
- 人を雇う予定があるか:雇うなら、法人のほうが体制を整えやすい面があります。
- 維持の費用を負担できるか:法人住民税の均等割や社会保険料が、赤字でもかかります。
- 事務の手間を引き受けられるか:法人の決算と申告は、個人の確定申告より格段に重くなります。
この5つのうち、上の2つに当てはまるなら会社設立に進む理由があります。下の2つが不安なら、まず個人で始めるほうが安全です。
freeeを使えばどちらの手続きも自分で進められます。ツールの都合で判断が変わることはないので、事業の実情から決めてください。
どうしても決められないなら、税理士に相談するという手もあります。数字を持っていけば、試算を出してもらえます。
自分で会社設立を進めるつもりなら、この判断も自分でします。ただし、判断の材料は無料で集められます。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「個人事業主が法人化するメリット・デメリットを解説!法人成りのタイミングも紹介」(2026年9月9日 確認)
まとめ:手続きの重さと、相手の目線で決める

freee開業とfreee会社設立の違い、そして個人事業主と法人の選び方について、ここまでの内容をまとめます。
- freee開業は個人の開業届、freee会社設立は法人の設立書類を作るサービス
- 手続きの重さが桁違い。個人は1日、法人は2〜3週間
- 実費も違う。個人はほぼゼロ、法人は7万〜19万円ほど
- 所得が増えると法人が有利になる場面があるが、維持の費用も増える
- 取引先が法人格を求めるなら、会社設立が前提条件になる
- 迷ったら、まず個人で始めて法人成りする道もある
税金の有利不利だけで決めると、維持の手間と費用を見落とします。事業の相手が何を求めているかを、あわせて考えてください。
自分で会社設立を進めるなら、この判断が最初の関門です。ここが決まれば、あとは工程を順にたどるだけになります。
この記事の金額や目安は2026年9月9日時点で確認したものです。制度は変わります。実際に判断するときは、各章の出典リンクから最新の内容を確かめてください。
この章で参照した情報freee(バックオフィス基礎知識)「個人事業主が法人化(法人成り)する最適なタイミングと目安年収は?」(2026年9月9日 確認)
個人か法人かという判断は、事業を始めるうえでいちばん最初の分かれ道です。それだけに、慎重になるのは当然だと思います。
ただ、迷っている時間も事業の時間です。決めきれないなら、まず個人で始めてしまうのもひとつの答えです。必要になったときに法人成りすればいい。その道は、いつでも開いています。
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