公告方法の決め方と定款の記載|会社設立で意識せず決まる項目
会社設立で決める公告方法を、官報・新聞・電子公告の3つから選ぶ考え方をまとめました。定款にどう書くのか、書かなかったらどうなるのかを自分で判断できるように整理しています。
公告方法という言葉は、会社設立の準備のなかでいちばん馴染みが薄い項目かもしれません。freeeの入力画面で聞かれても、意味が分からないまま選んでしまう人が多い場所です。
この記事では、公告とは何なのか、3つの選択肢はどう違うのか、そして定款にどう書くのかを整理します。会社設立を自分で進める人が、意味を理解したうえで選べるようにするのが目的です。
そもそも公告とは何か

公告とは、会社が法律で定められた事項を、世の中に知らせる手続きのことです。株式会社には、決算を公告する義務があります。
ほかにも、合併、資本金の減少、解散といった場面で公告が必要になります。債権者や株主が会社の状況を知るための仕組みだと考えてください。
会社設立の段階では、この公告を「どの手段で行うか」を決めます。実際に公告するのは先の話ですが、方法だけは最初に決めておくことになります。
選択肢は3つ。官報に載せる方法、日刊新聞紙に載せる方法、そして電子公告です。この3つから選んで定款に書きます。
freeeの入力画面でも、この3つから選ぶ形になっています。何も選ばなければ、あとで説明するとおり官報での公告として扱われます。
正直なところ、小規模な会社では決算公告を実際に行っていないケースも多いのが実情です。ただし、義務があること自体は変わりません。
自分で会社設立を進めるなら、この項目の意味を知ったうえで選んでください。何も考えずに決まってしまう項目のひとつです。
この項目が分かりにくいのは、会社設立の時点では実際に公告する場面が想像できないからです。決算公告が必要になるのは1期目の決算が終わったあと、つまり早くても1年近く先の話になります。それでも定款には最初から書いておく必要があるので、freeeの入力画面で唐突に聞かれることになります。
なお、合同会社には決算公告の義務がありません。それでも公告方法を定款に定めることはできます。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「公告とは?意味や公告方法の種類、変更手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
選択肢1:官報での公告

官報は、国が発行する機関紙です。法令の公布や、各種の公告が掲載されます。会社の決算公告も、ここに載せることができます。
公告方法を定款に書かなかった場合、自動的に官報での公告になります。つまり、これが既定の選択肢だということです。
費用は掲載する行数や内容によって変わります。決算公告なら数万円程度が目安とされていますが、正確な金額は掲載を扱う窓口に確認してください。
毎年決算公告をするなら、この費用が毎年かかることになります。小規模な会社にとっては、無視できない負担です。
一方で、手続きとしては単純です。掲載を申し込めば済むので、ウェブサイトの管理といった手間はありません。
freeeの入力で公告方法に迷ったら、官報を選んでおくという判断でも構いません。会社設立の段階で決めきれないなら、既定の形にしておくのが無難です。
あとから変更することもできます。定款を変更し、変更登記をすれば公告方法を変えられます。
官報の掲載を扱う窓口は、政府が指定した機関になります。申し込みの方法や費用の詳細はそちらで確認できるので、実際に決算公告をする段になったら問い合わせてください。会社設立の時点で細かく調べる必要はありません。
自分で会社設立を進めるなら、まずは官報にしておいて、必要になったら考えるという進め方が現実的です。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「公告とは?意味や公告方法の種類、変更手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
選択肢2:日刊新聞紙での公告

日刊新聞紙での公告は、一般の新聞に掲載する方法です。定款には、どの新聞に載せるのかを具体的に定めます。
掲載費用は官報より高くなるのが一般的です。全国紙に載せるとなると、それなりの金額になります。
小規模な会社設立でこの方法を選ぶケースは、実務上ほとんどありません。費用に見合う効果が考えにくいためです。
選ばれるとすれば、業界紙に載せることに意味がある場合や、地域の新聞に載せることで信用を示したい場合でしょう。
freeeの入力画面でもこの選択肢は用意されていますが、迷ったら選ばないほうがよい項目です。会社設立の段階で必要性がはっきりしていないなら、避けるのが無難です。
なお、定款で新聞名を特定して書いた場合、その新聞が廃刊になると定款の変更が必要になります。
自分で会社設立を進めるなら、この選択肢は基本的に検討の対象外だと考えて構いません。
freeeの入力でこの選択肢を選ぶと、定款に新聞名を書き込むことになります。会社設立の段階で特定の新聞を指定する理由がある人は限られるでしょう。自分で判断がつかないなら、選ばないほうが安全です。
必要になる場面が来たら、そのときに定款を変更すれば済む話です。
この章で参照した情報公告方法(官報・電子)の決め方 – 株式会社設立.com「公告方法(官報・電子)の決め方 – 株式会社設立.com」(2026年9月9日 確認)
選択肢3:電子公告

電子公告は、インターネット上に公告を掲載する方法です。多くの場合、自社のウェブサイトに掲載します。
官報のような掲載費用はかかりません。自社のサイトに載せるだけなので、費用の面では有利です。
ただし、電子公告には一定の期間、継続して掲載しなければならないという決まりがあります。サイトを止めてしまうと、公告として成立しなくなります。
また、公告の種類によっては、電子公告調査機関による調査が必要になります。この調査には費用がかかるので、必ずしも安く済むとは限りません。
決算公告については、調査が不要とされています。決算公告だけを電子で行うなら、費用の面での利点は大きいでしょう。
定款には、電子公告により行う旨を書きます。具体的なURLは定款に書かず、登記事項として別に定めるのが一般的な実務です。
freeeの入力で電子公告を選ぶ場合、会社設立の時点でウェブサイトの用意ができているかも考えておいてください。
事業を始めたばかりの時期は、ウェブサイトを作るかどうかも決まっていないことがあります。そういう段階で電子公告を選ぶと、あとで掲載場所に困る可能性があります。会社設立の直後に無理をする必要はありません。
自分で会社設立を進めるなら、サイトの運用を続けられるかどうかが判断の分かれ目になります。
この章で参照した情報法務省「電子公告制度について」(2026年9月9日 確認)
3つを並べて比べる

ここまでの内容を、表にして比べてみます。会社設立の段階でどれを選ぶべきかの目安になります。

費用だけを見れば電子公告が有利です。ただし、サイトを継続して運用する必要があり、途中でやめると公告として成立しません。
手間だけを見れば官報が楽です。申し込めば済むので、サイトの管理といった作業は発生しません。
会社設立の段階では、どちらを選ぶか決めきれないことも多いでしょう。その場合は官報にしておいて、必要になったら変更するのが現実的です。
なお、どの方法を選んでも会社設立の実費は変わりません。登録免許税にも定款認証の手数料にも影響しないので、この選択で費用が増減することはありません。差が出るのは、実際に公告をする段階になってからです。
freeeの入力でこの項目に長く悩む必要はありません。自分の会社の運営スタイルが見えてから決めても遅くはありません。
この章で参照した情報起業家バンク「会社設立前に知っておきたい賢い公告の選び方|起業家バンク」(2026年9月9日 確認)
定款への書き方

公告方法は、定款の相対的記載事項です。書かなくても定款は有効ですが、書かなければ官報での公告になります。
官報にする場合、「当会社の公告は、官報に掲載してする」といった条文になります。シンプルな記載で足ります。
電子公告にする場合、「当会社の公告は、電子公告により行う」と書きます。ここで具体的なURLを定款に書かないのが実務上の一般的な扱いです。
なぜURLを書かないのか。サイトのアドレスが変わるたびに定款の変更が必要になってしまうからです。URLは登記事項として別に定めます。
また、電子的に掲載できない事情が生じた場合に備えて、そのときは官報で行う旨を併記しておくのが定番の書き方とされています。
freeeが出力する定款で、この条文がどう書かれているかを確認してください。会社設立の書類のなかでも、意味を理解せずに通り過ぎやすい部分です。
日刊新聞紙にする場合は、新聞名を特定して書きます。この場合、その新聞が廃刊になると定款の変更が必要になります。
条文の書き方そのものは、freeeが標準的な形で用意してくれます。自分でゼロから文言を考える必要はないので、確認するのは「意図した方法が選ばれているか」の一点だけです。
自分で会社設立を進めるなら、出力された定款のこの条文だけは読んでおいてください。
この章で参照した情報電子定款に記載すべき内容と注意点「公告方法の選び方|電子定款に記載すべき内容と注意点」(2026年9月9日 確認)
登記事項としての公告方法

公告方法は、定款に書くだけでなく登記事項でもあります。つまり、登記簿に載ります。
誰でも取得できる登記事項証明書に記載されるので、取引先が見ることもあります。もっとも、この項目を気にする相手はそう多くありません。
電子公告を選んだ場合、公告を掲載するウェブサイトのURLも登記事項になります。この点は、会社設立の登記申請の段階で決めておく必要があります。
変更するには、定款の変更と変更登記が必要です。登録免許税は資本金1億円以下の会社なら3万円が目安とされています。
つまり、あとから変えられるとはいえ、費用と手間はかかります。会社設立の段階で、当面の運営スタイルを想定して決めておくのが得です。
freeeで出力した登記すべき事項に、公告方法がどう記載されているかを確認しておいてください。
合同会社の場合も、公告方法を定めれば登記事項になります。定めなければ官報とされます。
登記簿には、商号や本店、目的、資本金といった項目と並んで公告方法が記載されます。取引先が登記事項証明書を取れば、この内容も見えることになります。自分で会社設立をした記録が、そのまま公開されるわけです。
自分で会社設立を進めるなら、この項目も登記簿に載る「公開情報」だということを頭に入れておいてください。
この章で参照した情報法務局「商業・法人登記の申請書様式」(2026年9月9日 確認)
決算公告は、実際どうしているのか

株式会社には決算公告の義務があります。定時株主総会の終結後、遅滞なく貸借対照表を公告しなければならないとされています。
ただし、実際には小規模な会社で決算公告を行っていないケースが多いのが実情です。費用の負担や、そもそも義務を知らないことが理由として挙げられます。
当サイトとしては「やらなくてよい」とは書けません。義務は義務です。ただ、現実がそうなっているという事実は知っておいたほうがよいでしょう。
費用を抑えて公告義務を果たしたいなら、電子公告が選択肢になります。自社サイトに貸借対照表を掲載する形です。
会社設立の段階でウェブサイトを作る予定があるなら、公告用のページを1枚用意しておくという考え方もあります。
freeeの入力でこの項目を選ぶとき、自分の会社が将来どう運営されるかを少しだけ想像してみてください。
合同会社には決算公告の義務がありません。この点も、会社の形態を選ぶときの材料のひとつになります。
freeeを使って会社設立をした人が、その後にfreee会計で決算を組み、貸借対照表を作る。そこまで進んだ段階で、公告をどうするかという話が現実味を帯びてきます。会社設立の時点では、選択肢の意味だけ理解しておけば十分です。
自分で会社設立を進めるなら、義務の存在だけは知っておいて、対応は事業の状況に応じて考えるという姿勢が現実的だと思います。
この章で参照した情報ひとりでできるもん(公式)「公告方法について」(2026年9月9日 確認)
まとめ:迷ったら官報、サイトを続けるなら電子公告

公告方法について、ここまでの内容をまとめます。
- 公告は、会社が法定の事項を世の中に知らせる仕組み。株式会社には決算公告の義務がある
- 選択肢は官報・日刊新聞紙・電子公告の3つ
- 定款に書かなければ、自動的に官報になる
- 電子公告は掲載費用がかからないが、サイトの継続運用が必要
- 日刊新聞紙は費用が高く、小規模な会社設立ではほぼ選ばれない
- 電子公告を選ぶ場合、URLは定款ではなく登記事項として定める
- 変更には定款変更と変更登記が必要。費用と手間がかかる
freeeの入力画面でこの項目が出てきたとき、意味が分かっていれば数十秒で選べます。分からないまま選ぶと、登記簿を見て驚くことになります。
会社設立の段階で決めきれないなら、官報にしておくのが無難です。既定の選択肢であり、手続きも単純です。
この記事の内容は2026年9月9日時点で確認したものです。制度は変わります。実際に決めるときは、各章の出典リンクから最新の内容を確かめてください。
この章で参照した情報弥生株式会社(起業・開業お役立ち情報)「公告とは?意味や公告方法の種類、変更手続きを解説」(2026年9月9日 確認)
公告方法は、会社設立の入力画面でいちばん「これは何だろう」と思う項目かもしれません。それでも、意味さえ分かれば選ぶのは一瞬です。
迷ったら官報にしておいてください。既定の形ですし、あとから変えることもできます。ここで長く止まるより、先に進むほうが得です。
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